ゼロから学ぶ「フィンテック」~身近な金融サービスの新常識~

「フィンテック」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?なんとなく最先端の単語という印象を受けるかと思います。自分には全く関係ない、とお考えの方も多いかもしれません。

しかし、この「フィンテック」が10年後には皆さんの極めて身近な存在になっている可能性が高いのです。だからこそ、今からどういったものか知っていればお得に活用できるかもしれません。

今回はそもそもフィンテックとはどんなものなのか、そしてなぜ注目されているのかについてお話しします。

フィンテックってなんだ?①

フィンテック=金融の技術

「フィンテック」(FinTech)とは、ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)という言葉を合わせた造語です。ファイナンスは金融、テクノロジーは技術という意味なので、直訳をすると『金融の技術』ということになります。

最近ではよく雑誌などでも目にするフィンテックですが、なぜフィンテックが注目されているのかということについて説明していきたいと思います。

ポイント1:お金の扱いが格段に簡単に

フィンテックが注目される理由は大きく分けると2つに分かれます。そのうちの1つ目がアメリカのITベンチャー企業などによる個人や企業などが扱う金融サービスの技術の向上です。

例えば、クレジットカードで支払いするときを考えてみましょう。今までクレジットを決済するための機械の設置にある程度のコストが発生していました。これによって個人でお店を営んでいる飲食店などは現金でしか支払えないお店も多かったと思います。

しかし、個人でお店を営んでいる飲食店等でも、スマホに簡単な機器を取り付けるだけでクレジットカードでの支払いをできるようになりました。これによってクレジットカードを導入できるお店が格段に増えたのです。

その他の例として、送金するときのケースも改善されたこともあげられます。従来までは誰かにお金を送るときには銀行を通して行う必要がありました。しかしこの状況も技術の発展で、相手個人に直接遠隔送金できるようになったのです。

このようなサービスを提供するIT企業がアメリカでは次々と上場していき、従来の金融機関にはない『使いやすくて満足感』のある金融サービスがどんどんと身近になったのです。

そんな使いやすさの向上という我々からすれば喜ばしいことのように聞こえますが、これによって生じる問題がもう一つの注目されるポイントとなっているのです。

ポイント2:銀行が受けるダイレクトな影響

フィンテックが注目される2つ目の理由ですが、1つ目でお話しした金融システムの簡易化が従来の金融機関にとっての脅威になっている点があげられます。

例えば、先ほど紹介したカードの機能や送金のシステムにしても、そもそも従来の銀行などの金融機関は今まで長い時間をかけて様々なプログラムを管理してきました。

そのため、何か仕様を変更しようとすると、他のプログラムに影響がないかということを膨大な時間をかけて変更しなくてはいけません。

ところが、新しく登場してきたIT企業の場合は違います。初めにスタートしたサービスが使いにくく魅力的でないとしても、利用しているユーザーにとって便利な機能を低コストで後から変更することができます。

この性質によって、従来までの銀行などと比べ、様々な機能をサービスに追加していき、より便利なサービスへと変化していきます。

人から人へ直接動くお金

このような便利なサービスが使われるようになることで、従来の金融機関の業務を簡略化してしまうようになりました。

例えば、少し前の時代ではインターネット通販で何か購入する際は、代引きや振り込みなどが主流でした。しかし、技術の発展により、現在ではその場でクレジットカードなどにより簡単に決済できる時代になり、その結果金融機関を通さないお金の動きが生じたのです。

フィンテックによる技術的進歩によって、低コストでかつ迅速に、様々なサービスを提供できるようになりました。この点が世界的に大きな注目をされている要因となっています。

それでは、続いてフィンテックブームがなぜ起こったのか、ということについて【次の記事】でご紹介していきます。