なぜフィンテックブームが起きたのか。ITの進化でこれまでの金融機関は新しい金融サービスに潰される

フィンテックがこれほど広がった3つの要因

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最近話題になっているワードで「フィンテック」があります。ニュースやウェブで目にする頻度も増えたと思いますが、なぜ今フィンテックにブームが来ているのでしょうか?

(フィンテックとはそもそも何だろう?という方は【こちらの記事】で解説していますので、先にそちらをお読みください。)

現在のフィンテックブームは、様々な要因や出来事が重なって巻き起こっているものです。そして、これらは主にアメリカでの出来事が中心になっています。

今回はフィンテックブールを考えるうえで重要なテーマである『IT』と『人』と『歴史的出来事』の3つの観点から考えてみましょう。

フィンテックってなんだ?②

昔は想像できなかったスマホで写真にいいね!

まずは「IT」についてに考えてみましょう。ITの進化なくして、フィンテックは存在できなかったと言っても過言ではないほど重要なものとなっています。

フィンテックとの関係を考えるうえで、あなたががよく耳にするであろう「IT」という単語の意味について整理しておきましょう。ITとは「Information Technology」という言葉の頭文字の略称で、直訳すると『情報の技術』ということになります。

ITという言葉が示す範囲は広く、定義も様々に存在するので正確な表現をすることは難しいですが、簡単に表すと「パソコンやスマートフォンと、インターネットなどの通信のインフラを組み合わせる技術」といえます。

そして、現在ITはとてつもない早さで進化しています。とても高価かつ巨大で、個人で所有することは考えにくいものだったパソコンでしたが、今ではノートパソコンのサイズにまで小型化され、社会人であれば1人1台所有している方がほとんどであると思います。

また、近年はiPhoneに見られるように機器は小型化かつ高機能化され、常に持ち歩いているのが当たり前の状態になっています。

そして、このような進化は通信の部分でも言えます。以前には画像を1つ表示させるのに何分もかかったインターネット通信も、今やWifiやLTE回線といったワイヤレスでも画像も動画もサクサク見られる時代になっています。

そして、フィンテックというのはこのITの技術を存分に活用したものなのです。しかし、実現する技術だけがあっても大衆には普及しません。これらの技術を活用できる「人」の存在が必要です。

そこで、次にフィンテックブームを広めた人たち、すなわちITの進化の恩恵を大いに受けてきた「人」について着目していきましょう。

ITとともに育ったミレニアル世代

フィンテックをここまで世間一般の存在に広めていった「人」の存在というのが「ミレニアル世代」です。ミレニアル世代というのは、1980年頃から2000年頃に生まれた世代のことを指しています。現在アメリカでは全人口の3分の1がこの「ミレニアル世代」だと言われています。

それでは、なぜ彼らがフィンテックの存在と切り離すことができないのか、それはミレニアル世代はある特徴を持っているからです。その特徴とは、生まれながらにして、ITという存在が身近にあったというものです。

日本ではアメリカより少し遅れてはいましたが、ミレニアル世代に該当する方々は小さいころを思い出してみるとわかりやすいかもしれません。

子供のころにパソコンが既に電気店では販売されていたと思います。そして、中高生の時代には携帯でインターネットにつなげることができ、大学生や社会人になればスマートフォンやノートパソコンを所有していたと思います。

このように、生まれたときからITに慣れ親しんで成長した人のことを「デジタルネイティブ」といいます。つまり、この世代は「IT」を活用するハードルが低く設定されていると言います。

それでは、なぜこの「ミレニアル世代」は既存の銀行といった金融機関ではなく、フィンテックという新しい金融のあり方を選択しているのでしょうか?それは彼らが経験した、「とある大きな出来事」によって既存の価値観を壊されたからです。

儲けばっかり追い求める金融に不信感

とある大きな出来事とは「リーマンショック」です。先ほど説明した「ミレニアル世代」はこの「リーマンショック」の影響を大きく受けた世代といえるのです。

「リーマンショック」について簡単に説明すると、お金儲けのために低所得者向けのローンを作りすぎ、そのローンが回収できなくなった結果、「リーマン・ブラザーズ」というとても大きな金融機関が破綻し、アメリカから全世界に大きな経済危機が起きた事件のことです。

このリーマンショックの結果、彼らは就職難にぶつかったり、学生ローンを抱えて生活が困窮したりしました。そうするとリーマンショックを引き起こした既存の金融機関に対して不信感を抱きます。

その結果、銀行といった金融機関を介さずお金が動かせる「フィンテック」という新しい技術に関心を集めるようになったのです。

そして、彼らはITに親しんで育ってきたため、フィンテックが必要とする技術をうまく使いこなすこともできます。

フィンテックはあなたのための技術

以上が、現在のフィンテックブームをが巻き起こった理由となります。「そんなことが起こっていたのか」と初めて知った方は遠い世界のことのように感じていたかもしれません。

しかし、このようにフィンテックが広がっている現状を、何もせず棒立ちで見ているわけにはいきません。

ミレニアル世代であるあなたはフィンテックを正しく知り、この技術を使いこなしていくことが、これからの社会で生活するうえで必須のスキルといえる時代が来るかもしれないからです。

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