本は一冊だけ読むな!~並行読みがあなたの財産を形作る

成功しているビジネスマンが習慣としていることとして良く挙げられるものに読書があると思います。本は多くの知識や考え方を私たちに与えてくれます。

しかしいざ読書を始めようとしても、1冊の本をなかなか読み切れない経験はありませんか?

新しい本を買おうとしても、前買った本が読み終わってないから……と買うのを躊躇して、結局本を読むことを習慣化できていないことがありませんか?

そんなあなたに朗報です!1冊の本を読み進めるより、飽きたら違う本を読むというこの読書法の方があなたにとって有意義な知識になるということが証明されているのです。

今回の記事では並行読書のススメとそれにまつわる実験についてご紹介しましょう。

 交互練習と集中練習

なぜ複数の本を並行して読むスタイルの読書が良いのか、それは「交互練習」の効果が証明されているからと言えます。

交互練習とは、複数の作業を同時に並行しながら行っていくやり方のことです。

これと反対に、ある作業を片づけたら次の作業へ、と1つ1つを順番にやっていくことを「集中練習」と言います。

一見すると、集中練習の方が脳が混乱せず良い方法のように思えますが、交互練習の方が長期的に見ると優れていることはとある実験が証明しているのです。

次からはこの実験の中身について紹介したいと思います。

順番に学ぶか、同時に学ぶか

この実験では被験者に、4つの難しい立体の体積の求め方を勉強してもらいます。ここで、被験者をAとBの2つのチームに分けて、異なった学習方法を取ってもらいます。

Aチームの被験者は、1つの立体の解き方を学んだら練習問題を解き、その後に別の立体の解き方を学ぶ、というように4つの立体を順番に学習しました。

つまりAチームが行っているのは、先ほどの単語で言うところの「集中練習」に当たるものです。

一方でBチームの被験者は、初めに4つの解き方を全て教え、その後に立体の種類を混ぜた練習問題を順不同で解いてもらう形で学習しました。

Bチームは複数のことを同時に行うという「交互練習」を行っていたということになります。

こうして2つの別々の学習方法で学んだ被験者ですが、学習の成果が意外な結果となった返ってきたのです。

一時的には覚えられたけれども……?

実験の時に解いてもらった練習問題の正答率は、Aチームが89%であるのに対し、Bチームが60%となりました。

しかし、この結論を聞いて「やっぱり複数のことを同時に行ったら忘れてしまうし、頭が混乱してしまうのだろう」と考えてしまうのは早計です。

実はこの実験は学習の1週間後にも理解度を確認するためにテストを行っていました。

そのテストでは、Aチームの正答率が20%しかなかったのに対し、Bチームは63%と高い結果を出したのです。

つまり、複数のことを同時に行う学習は、短期的には理解もしづらく成果も出にくいが、長期的な記憶に役に立つ、ということがこの実験で証明されたのです。

そしてこの実験の結果はあなたの本の読み方にも役立てることができるのです。

本の読み方を工夫してみる

例えば明日の商談で使う相手の会社の情報を取り入れる、というように期限が近いものや一時的に必要である知識を取り込むためには、1冊の本を集中して読んだ方が良いと言えます。

しかしビジネス書や自己啓発本、あるいは教養のために読んでおきたい本など、自分の人生で長期間に渡って使える知識を取り入れるために、このような読書法をしていては、すぐに忘れてしまうでしょう。

そこで、読みたい本はいくつか持っておき、何冊かを同時に読み進めるという読書方法が「交互練習」という観点からでも有効なのです。

何より1冊同じ本をずっと読み続けること、というのはかなりの労力を使います。いくら必要だ、役立ちそうと考えた本でも、同じ内容を1冊まるまる読み切ることは難しいと思います。

そこで今読んでいる本に飽きてしまう前に、違う本に取り換えてしまうのです。すると今まで読んでいた本とは全く違う視点、内容の本ですから、気持ちもリセットされるでしょう。

そしてまたその本もある程度読んだら、最初に読み進めていた本に戻ってくれば良いのです。

楽しく、長く役立つ読書ライフを

あなたの価値というのは、今までの人生で蓄えてきた知識や考え方と言えるでしょう。つまり読んだあと内容をすぐに忘れてしまう読書は価値を形成する上であまり意味がなさないと言えます。

色んな知識に基づいて様々な物の考え方ができるような深みのある大人になるために、長い期間覚えていられるような「並行読書」を始めてみてはいかがでしょうか?

今までの読書よりきっと楽な気持ちで、かつ実のある読書というものが出来るようになると思いますよ。

(参考文献)『図解 モチベーション大百科』著:池田貴将 (サンクチュアリ出版)