OATHの法則~ネコでもわかるビジネスキーワード百科

突然ですが、あなたにごく普通の「ボールペン」を外回りして1本売ってこい、という営業の仕事を頼まれたとしましょう。

あなたは様々な会社のオフィスを回っていたら、「あ、ちょうどボールペンが切らしていたんだ、買いたいと思う」という会社に偶然巡り合えました。これなら簡単に買ってもらえるでしょう。

では今度は新開発の「スーパーペン」を売ってこい、といった仕事の場合はいかがでしょうか?

客はそれがどういうものか知らない状態であり、買う必要性も感じていません。あなたは「スーパーペン」はどういうものかという説明から始まり、使ってもらうメリットまでゆっくり説明しなければ売れないでしょう。

上の2つの例はモノを売るという同じ行為なのに、それに至るまでに必要なステップが異なることにお気づきでしょうか?

このことを理解するのに必要なキーワードが「OATHの法則」です。

「営業」というキャリアアップに欠かせないスキルを理解する上で必ず知っておきたいこのキーワードを解説しております。

OATHの法則とは?

「OATHの法則」とは別名「オースフォーミュラ」とも呼ばれ、「人の問題意識の段階は4つのレベルに分類される」という法則であり、マイケル・フォーティンというコピーライターが提唱したものです。

簡単に言うと、人には「O」「A」「T」「H」の4つの段階があり、それに合わせた売り方をしなければならない、という考え方です。

ここではあなたが「大学受験用の塾の営業マン」になったつもりで、各段階の顧客について着目していきましょう。

O (Oblivious)…「無知」の段階

地方の落ちこぼれ高校の不良の生徒で「え?高校も行くかわからないけど、大学受験?何それ?」という人、これが「O」の段階です。

最初の「O」の段階ではお客さんは問題どころか、提供しようとしているものが何であるのかすら理解していません。先ほどの「スーパーペン」の例もこの段階と言えます。

この段階のお客さんに買ってもらうことが一番難しいでしょう。その人たちには「大学とは何か?」から始まり、「なぜ大学に行く必要があるのか」ということまでじっくり話さなくてはならないからです。

この段階の学生を受験用の塾に勧誘することは大変難しいということがわかると思います。

A (Apathetic)…「無関心」の段階

次の「A」の段階の生徒、これは普通の高校に通う1年生のです。

「大学受験」をするために塾に通うのだろうということはわかっていますが、自分は高卒で仕事するかもしれないし、今は通う必要がないと感じているのです。

この段階では問題の意義などを深く理解できていない段階と言えます。しかし、「O」の段階に比べれば大学へ行くことの理解もあるため、「早めに塾で勉強する必要性」などを伝えることでサービスを買ってもらえる可能性が高いです。

T (Thinking)…「考えている」段階

今度は「T」の段階ですが、これは春から高校3年生になる生徒です。

彼は周りも塾に行き出したし、そろそろ大学受験の対策をしなければならないと考えている。しかし、どこの塾が一番良いのか具体的な選択肢はまだ持っていない状態です。

つまり、提供しようとしているサービスやモノに対する問題意識がある程度ある状態と言えます。

サービスを買ってもらいやすい層ではありますが、同業の他社も同じ層をターゲットにしているため、お客を取られる可能性もあります。

H (Hurting)…「困っている」段階

もう受験まで3か月切ったけど、英語の点数が低いままでこのままじゃ不合格になってしまうと焦っている受験生、これが最後の「H」の段階です。

既にこの段階ではお客はサービスを欲していて困っています。冒頭の「ボールペン」の例と同じです。この段階でわざわざ「大学受験をする必要性」について説明する必要はありません。

この層は喉から手が欲しいわけですから、自分の商品が選択される状況を作る必要があります。広告を出すなどで対象とする層に注目してもらうことが重要となります。

4つの段階について理解いただけたでしょうか?

彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず

これは中国の思想家の孫氏の言葉です。これに見られるように、自分の売りたいモノやサービスは、どの層をターゲットとするのかを意識することが重要となります。

なぜならこれによって販売にかける手段やアプローチの方法が異なってくるためです。

きちんとOATHの法則を理解して、出世に必要な営業スキルを伸ばしていきましょう。