【1分でわかる】ブロックチェーン入門!ビットコインを支える技術とは

近頃テレビで「フィンテック」や「ビットコイン」、「ブロックチェーン」といった言葉を耳にすることが多くなりました。

ネットで調べてみても「金融」や「情報技術」など、なじみがない言葉で説明されているため、なかなか理解に苦しんでいる方も多いでしょう。

そこで今回の記事ではフィンテックの要である「ブロックチェーン」について、小学生でも分かるように解説していきたいと思います。

(本記事では分かりやすく説明するため、一部の内容で正確ではない表現がある場合があります。ご了承ください。)

ブロックチェーンは「技術の名前」

まずは「『ブロックチェーン』とは何か?」、この質問に一言で答えるならば技術の名前と表すのが適切でしょう。

例えばCMで「『プラズマクラスター』はシャープだけ♪」というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?

シャープによって開発された「プラズマクラスター」は、エアコンなどに用いられている、ウイルスや菌の動きを抑える技術の名称です。

ブロックチェーンも同じで、ブロックチェーンの技術が今話題の「ビットコイン」などに使われています。

「プラズマクラスター」という技術が家電の中で使われているのと同様に、「ブロックチェーン」は「フィンテック」というジャンルの中で使われている技術の名称です。

そしてブロックチェーンを理解するためには、ビットコインなどの仮想通貨についても軽く知っておく必要があります。

なぜなら、ブロックチェーンの発明が、ビットコインの抱える問題点を解決したと言われているためです。

ビットコインなどの仮想通貨を、インターネット上でやりとりする際に抱えていた問題については、こちらの記事でまとめてあります。

ビットコインなどの仮想通貨が抱えていた問題とは?

内容を簡単にまとめますと、

・誰がいくら分の保有しているか、いつ、どれだけの量が取引されたかを記録しておく必要がある。
・セキュリティ等の問題から、それらのデータは1か所で管理するのではなく、ビットコイン利用者全員が共有するしくみが必須である。

となります。

では、この問題を解決したブロックチェーンとはどのような技術なのでしょうか?今回はわかりやすく学校を例に考えてみましょう。

ブロックチェーンのしくみを学校に例えてみよう!

ではいよいよ本題の「ブロックチェーンのしくみ」を学んでいきましょう。

専門的な単語が出てくることで難しく考えてしまいがちですが、ブロックチェーンのしくみは中学や高校の授業に例えてみるとわかりやすく理解できます。

あなたが昔受けていた授業を思い出しながら、3つのステップに分けて一緒に考えてみましょう。

(今回はビットコインをやり取りする場合を例にしてブロックチェーンを説明していきます)

1.取引を10分おきにブロックに記録

学校の授業では、先生がひたすら前で板書をしていますが、この板書の内容をビットコインのやりとりの記録とします。

この瞬間も世界中のどこかでビットコインの取引がされているため、それを書き留めておかなければなりません。

そこで先生が板書している内容を記録するために「ルーズリーフ」を使います。

このルーズリーフが、ブロックチェーンにおける「ブロック」にあたります。

そして授業の間は、書く場所が余っていても必ず10分ごとにルーズリーフを新しいものに代えて記録を続けます。

なぜ10分ごとにルーズリーフを交換するのか、それは次のチェックする作業のためです。

2.ブロックをチェックし、過去のブロックとチェーンでつなぐ

ただ授業の板書を写しただけでは書き間違いがある可能性がありますので、ルーズリーフの内容にミスがないかをクラスの希望者でチェックします。

一番早く、正確にチェックが終わった人には、ご褒美として少量のビットコインが渡されます。これが「マイニング採掘)」という作業です。

そしてチェックが終わって特に問題が無ければ、ルーズリーフを「板書をまとめているバインダー」の最後のページに入れます。

これがブロックチェーンでいうところの、「過去の連続したブロックとチェーンでつなぐ」ことを意味します。

このバインダーはビットコインが誕生したときから続いていますので、授業が始まってからすべての内容(=ビットコインが始まってから全ての取引の記録)が順序正しくまとめてあることになります。

つまり「世界中にあるビットコインが今までどうやって動いたのか」、これがブロックチェーンには全てデータとして残ってあることになります。

3.ブロックチェーンのデータを共有

さてルーズリーフをバインダーにまとめても、このバインダーの中身が書き換えられては意味がありません。

そこで新しいルーズリーフが入った時点で最新版のバインダー丸ごと複製して、すぐにクラスの全員に配る作業をします。

これでクラス全員が「過去の授業内容を把握できる」、すなわちビットコイン利用者全員が「ビットコインを誰がいくら分持っていて、誰から誰にお金が動いたのか」を把握できるというわけです。

つまり、ブロックチェーンの取引のデータは世界中の利用者で共有されているのです。

ブロックチェーンは、取引が記録されているバインダーをみんなで分散して持つことから「分散型台帳」とも言われるのです。

ブロックチェーンのしくみをざっくりと理解できましたでしょうか?

しかしブロックチェーンがこのようなシステムを採用することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか?

不正を防ぐブロックチェーン

例えば先ほどのクラスの中にいたずらをする問題児がいたとしましょう。

例えば、彼がバインダーの過去のページを「僕が○月×日に1000万円分のビットコインを手に入れた」などと書き換えらることが出来れば、お金を手に入れられることになります。

ところがブロックチェーンのしくみではそう簡単に書き換えることはできません。

なぜなら自分のバインダーの記録だけを書き換えても、その子以外には正しい記録が残っているため、書き換えられたことがバレてしまうのです。

つまり彼がビットコインを手に入れるためには、自分のノートだけでなく、みんなのバインダーを一つ一つ開いて書き換えなければならないのです。

みんなのバインダーを書き換えるということは、世界中のパソコンやサーバーにあるデータを書き換えることになりますから、とてつもない労力が必要となります。

むしろそれだけの処理能力があれば、ルーズリーフをチェックする作業によるおこづかいを貰う(マイニング)方がはるかに効率が良くビットコインを得られます。

つまりパソコンの処理能力をハッキングなどに利用するより、ビットコインの維持させる活動に使ったほうがメリットが大きい、このしくみがブロックチェーンには整えられているのです。

ブロックチェーンのまとめ

長くなりましたが、ここでブロックチェーンを簡単にまとめておきましょう。

・ブロックチェーンはフィンテックの重要な技術
ビットコインなどの仮想通貨はブロックチェーンによって実現された
・今までの取引のデータをみんなで分散して持つというしくみ
不正な書き換えを防ぐシステムが採られている

「理解はできたが、仮想通貨なんて使ったことも、使う予定もないし…」とお考えの方もいるかもしれません。

しかしこれからの時代は、ブロックチェーンが他分野にも利用され始め、あなたの仕事や生活にも大きく関わってくる可能性があります。

応用されるブロックチェーン

元々ブロックチェーンは仮想通貨のために開発された技術ではありますが、現在ではブロックチェーンを応用した様々なサービスが他の分野にも広がろうとしています。

ブロックチェーン紹介の記事の最後に、ブロックチェーンが応用されて使われていくであろうあなたに身近な事例を軽くご紹介します。

1.転職でブロックチェーン

これからあなたがキャリアアップために必要な「転職」という分野に、ブロックチェーンの技術が入ってくるかもしれません。

転職サービスを提供しているリクルートは、会社からすれば本当かウソか見抜きにくい「履歴書」をブロックチェーンの技術で証明する実験を行っています。

大学の卒業や会社の所属を公的機関に証明してブロックチェーンに記録してもらい、採用する企業はそれを見ることでその人の経歴を確認できるサービスが検討されているようです。

2.食品でブロックチェーン

食品の安全がニュースで取りあげられ、農薬の有無や産地を気にしている人も増えてきました。

しかし、いくら産地や農薬の情報が書かれていても、その記載が本当か確かめる方法はありませんでした。

この分野にブロックチェーンの技術を持ち込むと、例えば産地や畑の土壌のデータ、使った農薬などが公式にデータとして残ることになります。

買う人はそのデータを見ながら食品を買うことができるため、より安全な食品を選べるようになることになります。

3.不動産にブロックチェーン

不動産を売ったり買ったりする場合にもブロックチェーンの技術は大変効果的です。

特に中古の住宅の場合、仲介の業者に高額な手数料を支払ったり、物件のデータが正しいか判別できなかったりという課題がありました。

もし物件のデータをブロックチェーンに残しておければ、手数料を取る仲介業者を挟まずに、欲しい人と売りたい人同士で不動産を直接売り買いすることができます。

これ以外にも医療や音楽など、これから様々な分野にブロックチェーンは広がっていくことでしょう。

ブロックチェーンを用いてより生活が便利になる世の中はそう遠くないのかもしれません。