仮想通貨ビジネスは危険?儲かる?ブームの背景をわかりやすく知ろう

仮想通貨は最近テレビでも取り上げられ、「仮想通貨で億を稼ぐ」といった内容の話もよく出てきています。

このブームによって、色々な儲け話も流れていることが多々ありますが、本当に仮想通貨で簡単に稼ぐことなど可能なのでしょうか?

今回は仮想通貨ビジネスの実体を明らかにし、「本当に仮想通貨で利益は出るのか?」「どういったリスク(問題点)があるのか?」について仮想通貨初心者にもわかりやすく解説していきます。

仮想通貨でお金を生み出す「3つの方法」とは?

「仮想通貨ビジネス」というと言葉にあいまいさが残りますが、具体的に仮想通貨で利益を上げるやり方を分類してみると、大きく3つに分けられます。

1.安く買って上がったら売る(売買差益)

1つ目は価格が安いときに買って高くなったら売ることで得られる利益、いわゆる売りと買いの差で稼ぐ方法です。

ここ最近で仮想通貨の価格は大きく上昇しましたが、上昇前から持っている人は上昇後に売ることで大きな利益を生みだすことが出来ているでしょう。

2.新しく発行されるコインに投資する(ICO)

2つ目は新しく発行される仮想通貨に前もって投資する方法で、これをICOまたはクラウドセールと言います。

事業を広げるためにお金が欲しい企業が、新たな仮想通貨を発行することがあり、私たちはそれらを安いうちに出資するという投資方法です。

最近ではこのICOで稼ぐ方法がブームのようになっているようですが、ICOについては後ほど詳しく説明します。

3.仮想通貨を生み出す(マイニング)

3つ目は仮想通貨自体を生み出す方法で「マイニング」といわれるものです。

ビットコインをはじめとした仮想通貨は取引所で売り買いをするだけでなく、パソコンにプログラミングで計算させることで報酬として手に入れることができます。

そうしてマイニングで手に入れた仮想通貨を売却することで、利益を上げるという方法もあります。

ただ現状では「3.マイニング」に関しては競争が激しくなり、ハイスペックなパソコンを数百台レベルで必要とされるため、私たち一個人が参加することは難しくなっております。

そこで今回は「1.価格差による利益」と「2.新規発行通貨(ICO)」についてそれぞれ考えてみましょう。

1.安く買って高く売る

まずは仮想通貨を売り買いによって利益を狙う方法について考えてみましょう。

仮想通貨を買うためにはどのような手順が必要で、どのようなリスクがあるのでしょうか?

 仮想通貨を買う

そもそも仮想通貨を買うためには欲しい通貨を取り扱っている「取引所」の口座を作らねばなりません。

最近では女優の成海璃子が「ビットフライヤー」のCMをやっていますが、「ビットフライヤー」はビットコインの取引もできる取引所のことです。

仮想通貨は「お金」ですので、銀行と同じく買う人自身が口座を持つ必要があります。

そのため「値上がりするから、あなたの代わりに仮想通貨を買っておくので投資しないか?」と言うのはお金を騙し取られる可能性が高いです。

仮想通貨を買うのであれば、自分の口座を作り、自ら取引を始めるべきでしょう。

問題点:「必ず上がる」は存在しない

たしかにビットコインをはじめとして、多くの仮想通貨はこの1年間で価格が急激に上がりました。

代表例であるビットコインを見てみると、たった1年間でなんと10倍近く上がっています。

(bitFlyerより参照)

今までは「買えば儲かる」といったバブルのような理由で価格が上昇していますが、この上昇が今後も続くとは限りません。

もしかしたらバブル崩壊のように、どこかでバブルが弾けて100万円だった仮想通貨の価値が暴落する可能性は十分にあるのです。

1ビットコインの価値が5万円から100万円になったということは、逆に100万円から5万円まで価値が下がる可能性も十分あることを忘れてはいけません。

2.新規に発行される仮想通貨に投資する

次に新規に発行される仮想通貨で利益を上げる方法について見ていきましょう。

最近の仮想通貨ビジネスではこちらで儲け話を持ち掛けるケースも多いようですが、初心者には理解が少し難しく、知らないうちに騙されているケースも多いようです。

少し難しい話が出てきますが、新規発行の仮想通貨に興味があるならば知っておけなければならないでしょう。

そもそもICOとは?

ICOとは、企業や個人が新しいサービスを始めたるための資金を集める方法のことです。

新しいサービスを始めたい人が、そのサービスで利用できる通貨を発行します。この通貨を「コイン」や「トークン」と言います。

あなたが新しく始まるサービスに投資すると、出資した額に応じてこのトークンが渡されます。

出資されたお金を元に、トークンを発行した人はサービスの準備を進め、事業を拡大していきます。

その後、このサービスおよび仮想通貨の価値が世の中に認められると、このトークンが取引所で売り買いされるようになります。

そこで受け取ったトークンを売却することで、大きな利益を狙うことができるということになります。

普通の売買と異なる点は?

このICOは一見すると1番でお話しした「安く買って高く売る」投資と同じように見られますが、本質的には大きく異なっています。

一番大きく異なっていることとして、ICOで発行された仮想通貨は最初に買った段階では全く価値を持っていない点が挙げられます。

普通の仮想通貨であれば、取引所が取り扱いを中止しない限り、すぐに手放すことができます。

しかしICOで発行されたトークンは、もはやウェブサイトのポイントのようなもので、取引所で扱われるまで売ることが出来ないのです。

そのため、ICOは一般的な売買と比べると比較的ハイリスクな投資と言えるでしょう。

問題点:投資した金額が返ってこない可能性は高い

先ほどまでもお話ししておりますが、トークンは売り出されるま公的に価値は全くありません。

分かりやすく考えるために、仏像をテーマにしたとてもマイナーなトレーディングカードゲームを例にするとわかりやすいでしょうか。

このカードで遊んでいる一部のマニア同士ではバトルに使うことができますが、普通の人からすれば全く価値はありません。

発行したばかりの仮想通貨とは、この仏像トレカと全く同じものなのです。

その後、世間で「仏像トレカ」がブームとなって、カードが高値で売れるようになって初めてカードを売ることが出来ます。

すなわち、新しく発行される仮想通貨に投資するということは、今後ブームになるかもしれない無名のトレーディングカードを買うことと同じであると認識してもらえば良いと思います。

そして、新規発行の仮想通貨に投資した場合、トークンが渡される以外には基本的にメリットがありません。

株の新規発行と違い、配当金などを受け取れるといった決まりもありませんので、ほぼ寄付に近い形で投資することになります。

また出資された方も返済する義務もありませんので、ICOに投資した金額を持ち逃げされても訴えることはできません。

当たった場合のリターンはとても大きいですが、基本的に当たらない宝くじのように考えた方が無難でしょう。

結局仮想通貨ビジネスは…?

さて、ここまで仮想通貨で利益を上げる方法について見てきましたが、結局のところ仮想通貨は儲かるのでしょうか?

結論から言いますと、

儲かるかは誰にもわからない。少なくとも無くなっても良いお金で投資すべき

というのが現状の仮想通貨に対する評価です。

たしかに「1年間で10倍に値上がり」などと聞けば夢のある話のように思うのは仕方がありません。

しかし、仮想通貨は元本保証はもちろん、他の金融商品のような年間○%といった利回りも存在しませんので、仮想通貨の価値が上昇することだけを見込んで投資することになります。

何度も繰り返しになりますが、価格が上昇するということはその分下落するリスクもあります。

仮想通貨を買うにせよ、ICOに投資するにせよ、その仮想通貨の価値が0になることも考慮した上で投資することがとても重要なことと言えるでしょう。

「勧誘されて投資したら大切な貯金を全て仮想通貨に溶かしてしまった」といったことがないように、正しい知識をつけてから投資を行うべきでしょう。