前回の記事では、5種類の公的社会保険の概要について勉強しました。
どれも国民を守るための制度であることは理解していただけたかと思いますが、どのような条件の人々が加入する義務があるのでしょうか?
今回の記事では、そこに焦点を当てた内容となっています。
それぞれの加入対象者について
1.健康保険
健康保険は、一般的にすべての会社員に加入義務があります。
一方、健康保険によく似ているものに国民健康保険がありますが、こちらは個人事業主などが加入することになっています。
詳しくは、以下2記事を参考にお願いします。
2.厚生年金
厚生年金もまた、サラリーマンや公務員の方を対象とした保険です。
詳しくは以下記事の、「3.厚生年金」のところを参考にお願いします。
3.介護保険
介護保険は40歳以上で加入することが義務付けられていて、40歳から64歳までの加入者は原則健康保険料と一緒に徴収されます。
保険料の計算は、各健康保険組合によって異なります。協会けんぽや職場の健康保険、共済組合の医療保険に加入している場合、給与に介護保険料率をかけて計算され、事業主が半分を負担します。
介護保険料率は健康保険組合によって異なり、公的医療保険と同じく被扶養配偶者は支払う必要はありません。
国民健康保険に加入している方は、自治体の財政により独自に計算され、介護保険料率もそれぞれ違います。
65歳以上の加入者は、原則として年金からの天引きで徴収されます。
- 第1号被保険者(65歳以上の方)・・・年金からの天引き、サービス対象者
- 第2号被保険者(40歳から64歳までの方)・・・健康保険と共に徴収、サービス非対象者(特定疫病患者を除く)
介護保険の加入対象者の種類には、第1号被保険者(65歳以上の方)と第2号被保険者(40歳から64歳までの方)の2種類があります。
保険料の支払い義務はどちらにもありますが、サービスの対象者は、基本的に第1号被保険者のみとなります。
第2号被保険者は、特定疫病により介護が必要になった方のみ特定のサービスを受けることができます。
- がん末期
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
4.雇用保険
下記の条件を満たす人は加入義務があり、会社が加入させなければなりません。アルバイトやパートであったとしても加入義務があります。
- 勤務開始から31日以上働く予定がある人
- 週に20時間以上働いていること
- 学生ではないこと
- 他者で雇用保険に加入していないこと
雇用保険の保険料は、労災保険料と合わせて会社から納められます。労災保険料は全額会社負担ですが、雇用保険料は会社と本人でそれぞれ決められた保険料で負担します。
5.労災保険
雇用保険と同じく労働保険の1つであり、個人が加入するものではなく、会社が加入しそこで働く従業員全員に保険が適応される制度です。
1人でも従業員を雇っている会社は必ず労災保険に加入しなければいけなく、正社員、パート、アルバイト、日雇などの雇用形態に関わらず、すべての労働者に適用されます。
派遣労働者にも労災保険が適用され、その場合派遣元の事業所が加入することになります。
保険料は会社が全額負担となっているので、個人として金額を払うことはありません。
今回は5種の社会保険の加入対象者条件について書きました。
次回は、それぞれの受けられるサービスについての記事となっております。
【近日公開予定】