会社の会計は「過去」と「同業他社」の比較で見える!

企業比較の基本は「過去」と「同業他社」がキーワード!

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あなたの会社、実はここ1,2年の売り上げが落ち込んでいるかもしれません。また、同じ業界のライバル社が知らないうちに急伸していたりするかもしれません。こういった恐ろしい状況は「損益計算書」を分析できれば一発でわかってしまいます。

【前回の記事】では分析の基礎となる内容として、損益計算書では何が書かれているのか、4つの利益とそれぞれの求め方を解説いたしました。

しかし、損益計算書は単体の数字だけ見てもあまり意味を持ちません。例えば、「あのセブンイレブンで有名な『セブン&アイ・ホールディングス』の売上高は5兆円だけど、当期純利益は1700億円である」という情報がわかっても、何も役に立ちませんよね?

今回はどのように損益計算書の数字を見ていけば、うまくビジネスや転職、投資などに活用できるのか、ということについて考えていこうと思います。

なぜ社会人は企業の会計を知っておくべきなのか、「ビジネスに使える企業会計」の初回の記事は【こちら】になります。まだお読みでない方はこちらからお読みください。
これだけ知ろう!企業会計の基礎⑤
損益計算書~その2~

評価の基本は「比較」すること

評価する方法の一つがその企業の過去の値と「比較する」ということです。ここで会社の売上高をあなたのお給料に例えて考えてみましょう。

例えば、あなたのお給料が月収25万円だと仮定します。この事実だけを聞いても他の人はあなたのお給料が高いとも低いとも評価できないでしょう。しかし、昨年度のあなたは月収23万円と聞けば、「お、今年はぐんと給料があがったんだな」という認識を持つと言えます。

これを会社に置き換えてみると、「過去の決算と比べる」ということが重要なことにわかるでしょうか?例えば携帯会社の一つである「ソフトバンクグループ」は2010年度決算の売上高は約3兆円でしたが、2016年度の決算では約9兆円にまで上がっています。これで「ソフトバンクは会社の規模が急激に大きくなっているんだな」と考えることができます。

そしてこの比較は同じ会社の過去と比べるだけでなく、同じ業種の他社と比べることも重要となります。

同じ業界の他社と比較もOK

「比較する」という方法でもう一つ有効な方法、それが「同業他社との比較」です。これもお給料に例えて考えてみましょう。

あなたの月収は今回も25万円としましょう。しかし、あなたの同じ会社の同期の1人の月収が27万円と聞いたら、他の人は「同期より少ないとは、もう少し頑張った方がいいのでは?」と考えるかもしれません。そして、これは企業でも同じことが言えます。

例えばコンビニ業界1位のセブン-イレブンの2015年度の売上高が約4兆3000億円となっていますが、これを評価するために業界2位のファミリーマートと比較してみましょう。ファミリーマートの売上高は2兆2000億円となっていて、その結果セブンイレブンが大きく業界を引っ張っているんだな、という印象が持てると思います。

つまり、同業他社との比較によって、その会社が所属する業界の中でどのような立ち位置なのかを知ることができるのです。しかし、これは他の業種と比べることはできないという原則を忘れてはいけません。

他業種は比べられない

先ほど同期の月収との比較を行いましたが、これは同じ会社にいるという条件が等しいために比較が可能であったわけです。これが違う業界の人と比較しても何の意味も持たないものとなります。

例えば、外資系企業でバリバリのビジネスマンをやっていて、あなたと同い年の人が月収50万円もらっているとしましょう。しかし、この事実と比べたところで「あなたの仕事能力が劣っている」と言い切ることはできません。なぜなら彼とあなたとでは仕事の内容も全く異なるためです。

これは会社の決算でも同じことです。例えば、「モンスト」というスマホ用ゲームで有名な「ミクシィ」と自動車会社の「スズキ」はどちらも営業利益が1000億円弱となっていました。しかし売上高で比べると、ミクシィは2000億円に対し、スズキは1兆3000億円となっています。

パッと見ると、ミクシィの方が効率のいい売り上げを捕れているように感じるかもしれません。しかし、自動車は金属やエンジンなど生産するのにコストがかかります。しかし、スマホ用のアプリでは、開発というのが主にパソコン上で済むため、原価のコストが少ないと言えるでしょう。

このように産業によって収益の形というのは大きく異なっているため、違う業界で決算を比較することはあまり意味を持たないということをご理解いただけたでしょうか?

企業の分析に有効な「比較」

今回の記事では過去や他社との「比較」という側面で企業の会計を分析しました。今回ご紹介した内容は、あなたの会社の将来性を検討したり、同じ業界のライバル社との関係を探ったりするのにとても有効な方法となりますので、是非覚えておきましょう。

それでは、その会社の経営についてもっと詳しくチェックするために、【次の記事】では「利益や費用の割合」という側面に着目して分析する方法について考えてみたいと思います。(⑥に続く)

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