さあ、この仕事を集中してやろう！と意気込んでいる方へ。もしかしたらあなたがやろうとしている仕事、実は世界中の誰1人として集中してできないものかもしれません。
集中して行う「ターゲット」を整理するところから始めなくては、無駄な労力を使うことになるのです。はじめは面倒だと思うかもしれませんが、日々行うことによって自然と仕事を整理することができ、その結果デキるビジネスパーソンに一歩近づくことになります。
今回はあなたの仕事が集中できるものかどうかチェックするための３つのポイントについて、考えてみたいと思います。
１．そもそも必要？
人間の集中力とは大変貴重なものであり、1日の働いている時間ずっと集中している、というのは到底無理な話です。
すると、まず初めに重要となってくるポイントの１つ目が「その仕事が本当に「今」「あなたが」やるべきことなのか？」について考えることです。
小さいころに親戚からお年玉をもらったときのことを思い出してみるとわかるかもしれません。子どもの時は、毎年お年玉をくれる親戚のおばちゃんには会いたがったけど、ただ無愛想なおじさんにはあまり会いたいとも思わなかったはずです。
お年玉がもらえる人に優先的に会う。これは仕事も同様で、自分が行うべき仕事を優先的にやらなければ、あなたの頭がせっかく集中して一所懸命に取り掛かっても無意味になってしまいます。
そのためには、２つのキーワードであなたが行おうとしている仕事を整理する必要があります。その２つのキーワードが「今か？」と「あなたがか？」となります。
この２つのキーワードで優先順位を考えることによって、本当に今日あなたが行うべき仕事かどうかをチェックすることができるのです。
２．万里の道も一歩から
中国にある万里の長城をご存知だと思いますが、あの構造物はとても巨大なもので全長が約2万kmもあるといわれております。もしあなたが中国の皇帝から万里の長城を「とりあえず作れ」と言われたとしても、途方に暮れてしまうのではないでしょうか？
これは約2万kmもある万里の長城を作る、という目標が大きすぎることに原因があります。つまり小さなレンガを積み上げていく作業を行っていっても、達成感を感じることができず、モチベーションを感じることができないのです。
そこで、昔の中国の皇帝は端から全員で作業させるのではなく、細かく区画に分けて作業を行わせました。500m毎に区分けして、そこを1つのチームに作業させます。そして、その小さい区画を完成することによって達成感を感じさせ、次にまた新しい遠方の区画の作業をさせるのです。
この考え方は私たちの現代の仕事にも当てはめて考えることができます。集中できていない人は、その仕事の段階を細かく分けることができていないケースが多いのです。その結果、やっても進んでいない気がする、と感じてダラダラと仕事を続けてしまうのです。
例えば、あなたに「ある商品の来月売り上げ予想を立てる」というタスクがあったとします。このタスクは厳密に見ると、
「①これまでの売り上げを整理する」→「②来月の気温やお客の行動といった要因を整理する」→「③他社の似た商品をチェックする」→「④売上数を推定する」
と細かく段階に分けることができます。
壁を一気によじ登ろうとするのではなく、そこに向かうための階段を自分で作って順番に超えていくことで１つ１つに集中することができるようになるのです。
３．浮気、二股をするときはきちんと分ける
さてここまでで重要な仕事を区別して、それを行うためのステップも用意したら、後は取り掛かるだけとなりますが、ここで重要なことが一つのタスクに「一途である」ということです。
例えば、AさんとBさんという2人の女性と付き合っている、すなわち二股をしている男を考えてみましょう。なぜ彼の二股が成立しているのか、それはきちんとそれぞれに会う時間や話している内容を分けているからです。
もし彼が待ち合わせ時間を同じにして、2人の女性に会おうとしたらどうなるでしょうか？ もしくは、Aさんに会っているときにBさんと連絡しているのがバレたらどうなるでしょうか？修羅場になること待ったなしです。
これは仕事でも同じことが言えます。あなたも同時に色んな仕事を抱えて、様々な課題を同時にこなすという二股や三股をこなす必要があるでしょう。
しかし脳は同時に気を回すことはできません。ですから、それぞれのタスクに取り掛かるときは他のタスクのことを完全に忘れなければいけません。これが集中力を高めるための準備の3つ目のポイントとなります。
いかがだったでしょうか？以上の3つのポイントがあなたが仕事に集中するための前段階となるのです。今までこれらを心掛け、整理してから仕事に取り組んでいましたか？
次の記事から、いよいよ集中を続けていくための具体的なテクニックをお伝えしていきます。【次回の記事】では1つ目のテクニックとして、「時間」の管理に着目したテクニックになりますのでよろしければご確認ください。
集中するためのヒント、それは「25＋5」だったのです。（④に続く）