「AIが人間の仕事を奪う」「AIが人間を超える」これらは人工知能の技術が一般人である私たちの注目を受けるようになってから、よく耳にする言葉だと思います。
最近の代表的なニュースですと、囲碁のプログラㇺである「AlphaGo」が世界トップ棋士と対局して勝利したというものがありました。
コンピュータの技術が私たちの理解できる以上の速度で発展することが冒頭のような恐怖を与えているのではないかと考えられます。
この速度感でITが進歩していけば、社会は人工知能によって大きく変わってきます。その時に備え、私たちがどうやって人工知能と付き合っていけばよいのでしょうか?
今回の記事では、はじめに人工知能をわかりやすく理解していくことから始め、社会や経済、そしてあなたの将来にどのような影響を与えるとされているのかを正しく知っていきましょう。
人工知能(AI)とはそもそも何?
良くニュースで聞く人工知能(AI)ですが、そもそも人工知能とはどういったものなのでしょうか?
人工知能の厳密な定義は定まっておらず、どういったものを「人工知能」とするかは専門家によっても異なっています。
しかしここで一般的な意味を説明すると、人工知能は「人工的に作られた人間のような知能」という定義が出来るでしょう。
つまり人工知能を作るのメインの目的ははあくまで人間でいう「脳」を作り出すことにあり、「腕」や「足」といったパーツは絶対に必要なものではないのです。
ある人工知能に動くことが必要なのであれば「足」のようなパーツを、作業することがあれば「腕」をつけるという付随する性質であり、本質的には脳のように「考える」ことが人工知能の目的なのです。
このような人工知能はその人工知能が出来ることで大きく分けると「特化型AI」と「汎用AI」の2つのタイプに分かれます。
AIが社会や生活に与える影響を考えるためには、まずこの分類を正確に理解することが必要です。
①特化型AI:何か1つの問題しか解けない
現在の世界に存在している人工知能は、全て「特化型AI」に分類されます。特化型AIとは名前の通り、「特定のタスクしかできない」AIのことです。
例えば最初に紹介した、世界のトップ棋士を倒した「Alpha Go」という人工知能は囲碁しかできません。またこ自動運転を行ってくれるAIというのも、車を安全に自動で走らせることしかできません。
これらの特化型AIは「人間が設定したプログラムしか実施できない」という特徴があります。例えばAlpha Goに車を運転させることはできませんし、自動運転のプログラムに囲碁を打たせることはできません。
この特化型AIが開発されることで、いくつかの仕事はなくなるかもしれませんが、完全人間に代わる存在となることはできません。
なぜなら、特化型AIの場合、解きたい問題を解くための最適な考え方を人間がAIに入力する必要があるためです。つまりAI自身が問題を自動で解決するということはできません。
自動運転の車を開発させたいと考えてみると、ますは乗るための車体や自動で運転するためのプログラムも人間が設定する必要があり、AIはそのプログラムの中で動くことしかできないというイメージになります。
では何故AIは人間の脅威となる、といった考え方が生まれるのか。それは将来作られるであろうもう一つのジャンルのAIである「汎用AI」の存在によるものなのです。
②汎用AI:「ドラえもん」のように考える
特化型AIよりずっと技術が発達した将来に生まれるであろう人工知能、それが「汎用AI」です。汎用AIは人間が行っているように、自分で物事を考えることができるという特徴があります。
汎用AIをイメージしやすいもので例をあげると、日本人の国民的アニメである「ドラえもん」でしょう。
作ドラえもんはのび太君を助けるために未来からやってきますが、ネコ型のロボットであるにも関わらず、自ら考えてのび太君と一緒に行動しています。
汎用AIはドラえもんのように、答えるべき問題に対してAI自身が思考を応用させてどうすればよいか考えるため、解決するための考え方を入力してあげるという段階すらもAIが自分で見つけ出すことができるのです。
ちなみにこの汎用AIは人工知能の専門家によると、2030年頃には登場するのではないかと言われています。
ここまで人工知能が「自分で考えられる人間の脳」のような存在であることをなんとなく理解できたと思います。
そうなると次に気になることとして、実際にはAIによってどのようなことができるようになるのか、という点であると思います。
【次の記事】ではどのようなことがAIで出来るのか、それが私たちの社会や仕事にどのように影響してくるのか、ということを実例を交えながら考えていきたいと思います。
イメージするためのヒント、それはあなたも持っているであろうスマートフォンなのです。(②に続く)