リーダーが言うなら…は危険!「機長症候群」とは~ビジネスキーワード解説

チームの中であなたが活躍するために

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「なんか間違っていると思うけど、あの人が言っているならきっと合ってるのだろう」と考えたことはありませんか?

違うとは思うけど、リーダーが言うことだし、言いづらいから黙っている。そしてふたを開けてみれば、あなたの考えが正しかった。そんな経験は今までの人生で多々あったと思います。

こういった現象のことを「機長症候群」といい、ビジネスの中でチームがこの状態に陥ると大きな問題を引き起こすこととなるのです。

今回は機長症候群とはそもそも何なのか、という解説から始め、チームで仕事をするときにはリーダーの立場、サポートする立場がそれぞれどう立ち振る舞うべきか、という仕事のコツを考えていきたいと思います。

機長症候群とは?

「機長症候群」とは、リーダーなど上の立場にいる人の選択を部下が妄信的に信じてしまい、例え間違っていたとしても修正されなくなってしまう、という現象のことです。

機長症候群という名前は、飛行機の操縦中に機長をサポートする副操縦士などの人間が、機長の判断ミスに対し、「違う気がするけど、機長の言っているから正しいのだろう」と修正することができず、その結果飛行機が墜落してしまったというエピソードが元になっています。

リーダーが強制的な立場を言っているため周りがイエスしか言えなくなっている現象、と誤解されることがありますが、それは本質的に正しいとは言えません。

機長症候群はリーダーが優れた人物であるため、そのリーダーの選択に対し周囲の人間が思考することや議論することをやめてしまうというのが本来の意味なのです。

ついてくる部下が「優秀なリーダーが言っているからきっと間違っていない」と考えてしまう、これが機長症候群の本当の恐ろしさなのです。

機長症候群を防ぐリーダー像とは?

これからあなたは仕事の中でチームのリーダー的立場に立つことも多いでしょう。この時に気を付けなければいけないものが「機長症候群」なのです。

あなたがプロジェクトなどでリーダーとなると、成果を出すために自分から積極的にアイデアを出していかなければ、方向性もどんどん決定していかなければ、と考えることでしょう。

しかし何から何まで、全てあなたが動いてしまうと、それについてくる部下は考えなくなってしまう。これが機長症候群で引き起こされてしまうことです。

もちろんリーダーになったなら、最終的な意思決定はあなたが行うべきです。しかしそれに至るまでに部下と議論を行ったり、みんなでアイデアを出し合ったりなど、「皆で考える」という風潮をチームの中に作りだすことが大切なのです。

では一方でチームを支えるメンバーの立場である場合はどのような行動が重要なのでしょうか?

リーダーをサポートする周囲の在り方がそれ以上に大事

もしあなたがチームでリーダーを支える立場になった時、この時こそ真の「ビジネスマンとしての力」が試されるのです。

一般的に人は自分の意見に同調する人を心地よく思い、反発ばかりする人を遠ざけようとします。そのため闇雲にリーダーへ批判的な意見をしても雰囲気が悪くなってしまう、と恐れてしまうケースが多々あると思います。

しかし組織で見たときに価値があるのは「ただリーダーに付いていく人」ではなく、「間違いがあると考え、それを提案できるサポーター」なのです。

あなたがリーダーを支える立場にある時に意識しておくと良いポイントをいくつかご紹介します。

・絶対的な事実を集める

本質ですが、リーダーの考えはその人の思い込みによることかもしれません。必ず正しいデータを収集し、それに基づいて物事を考えましょう。

・集団で行動すること

あなた一人がおかしい、と考え提案してもリーダーは嫌な顔をするだけかもしれません。しかしチームの中に協力してくれる仲間を見つけ、複数人で提案すれば方針は変わることでしょう。

・意見の良さを納得させる

きちんと正しいデータに基づいてあなたが考えた結論ならば、それはきっと正しいはずです。勇気と自信を持ってきちんと説明することが重要なのです。

・提案がリーダーに反発されたら、より強い立場の人に助言を求める

せっかく提案しても「私の方が経験があるから、これは正しい」と跳ね返されてしまうかもしれません。その場合は他のチームのリーダーやさらに上の立場の人に相談してみましょう。

きちんと批判できる人間が評価される

今までの日本では年功序列・終身雇用のシステムがはっきりしていましたので、組織の中で円滑に仕事を行っていればそれなりに出世していけたことでしょう。

しかしそれらのシステムが崩壊し、個々の能力が重要視される現代社会では「物事を正しくとらえ、きちんと提案、批判をする能力」を持っている人が評価されるように変わってきました。

これからの社会で生きていくあなたが「機長症候群」に陥らず、きちんと良い結果を残せる人材となっていくためにも、普段から「考える」ということを止めてはいけないのです。

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