金持ちはより金持ちに~ピケティの拡大する格差~

医者の子は医者。よく聞く話ではないでしょうか?職業の選択に親や本人の意思というのはもちろんありますが、やはりお金持ちの子どもはお金持ちなことが多いです。これがなぜなのかわかりやすく説明したのが今回の記事です。

【前回の記事】ではピケティさんが主張する「r>g」について軽く説明いたしました。働くよりも、お金がお金を生むスピードの方が早いため格差は広がるということでした。

【前回の記事】はピケティの経済学を理解する上で重要な記事ですので、まだお読みでない方は先にそちらにご覧ください。

今回の記事ではどうしてピケティがその事実が証明することができたのか、そしてなぜお金持ちはお金持ちであり続けるのかということについて解説していきます。

この記事を読んでもらうことで、いくら働いても生活が良くならない理屈が簡単に理解いただき、あなたにできることを正しく見極めてもらえればと思います。

ピケティの経済学②

ピケティはひたすら検証した

ピケティが今回の「r>g」の理論を実証できたのは、20か国以上の3世紀分のデータをくまなく検証したためです。この検証でピケティは世界の先進国それぞれの状況をまとめたのです。

その結果、「その国の上位10%でおよそ国の富の60%以上を所有している」という事実が浮き彫りになったのです。特にアメリカは上位1%の人々、すなわちエリート企業の経営者たちが利益を独占しているという事実があったのです。

「日本に格差はない」と主張されることもありますが、現実の日本は実際にどのようになっているのでしょうか?

日本では金持ちから税金を集められいない?

日本はアメリカほどの如実な格差は実際にありません。さらに近年は富裕層への課税が強化されています。

それによって富裕層から集めたお金を私たちに還元しているのか、というと全くそのようなことはありません。実際は税金対策をされて思ったほど税金を集められていないからです。

例えば、東京にはタワーマンションがたくさん立っていますが、あんなに多くタワマンを誰が買うのか疑問に思ったことはありませんか?実は富裕層はタワマンを買うことによって相続税を抑えているのです。

また、「タックスヘイブン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?税金が低い国に資産を移してそちらで税金を支払うことによって、日本の高額な税金を回避しているケースもあるのです。

このような動きで富裕層は富裕層であり続けるという格差が凝り固まっているのです。そして、この格差は単純な人口が減少していることでも拡大していくとピケティさんは主張するのです。

親からの相続でさらに広がる

例えば2人の親に対し2人の子供がいた時代、つまり簡単に言えば人口が維持されていた時代では、親の資産額を子どもがほぼ同額相続できると考えられます。

つまり、親1人につき500万円の資産を持っている家庭があれば、その家庭の2人の子供は1人当たり500万円を受け取ることになります。もし親が100万円だったら子も100万円という状況です。

この状況ですと、確かに2つの家庭に400万円という資産の格差は存在しますが、それが世代で広がるということは起きません。

しかし、現代の日本では少子化となり、子どもを1人しか持たない家族も増えております。その結果、親1人につき500万円の資産を持っている家庭で子が1人の場合、子どもは2人の両親から受け取るため1000万円の資産を持つことになります。

一方で、親が100万円ずつしか資産を持っていない家庭の場合、両親合わせても200万円の資産しか受け取れません。つまり、親の世代では400万円だった資産の差が、この世代では800万円に拡大していることとなります。

これは子どもを多く持った方が良いとか悪いとかの議論ではありません。ただ、人口減少の現代の日本をはじめとした先進国では格差がさらに助長されるということは実際に起きることを示しているのです。

前回の記事で述べた内容も含めて、ピケティが主張していること。それが、お金持ちある人とあなたにある格差、これはあなたがどれだけ必死になっても「労働者として普通に働いている」限りは埋まるどころか広がっていく一方であるということです。

【次回の記事】では格差が広がる点を今度はあなたの「仕事」という点から考えていき、次にこの格差が拡大してしまう状況に対して、あなたができることは何か?ということを考えていきたいと思います。(③に続く)