日本人は勤勉というウソ①~データで見えるサボる国民~

実は無駄ばっかりの私たちの労働

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「日本人は世界から見ても勤勉な働き者である」

どこかで聞いたことがある話だと思います。この主張に基づいて、日本のサービスや製品の質の良さを取り上げるテレビ番組が毎日のように流れています。

どの番組を見ても「こんなサービス、俺の国じゃあり得ないよ!HAHAHA!」という外国人の方が出てきて、そして最後には「日本っていい国ですね」の結論で終わっている気がします。

しかし、世界の国々と比べた統計データから言えば、日本人が勤勉な働き者であるという事実は全くの「ウソ」であると言っても過言ではありません。むしろ他の国々と比べると、効率の悪い働き方しかできていないのです。

国民のほとんどが騙されている日本の実態を、今回は「働く」という観点から見たいと思います。

何故あなたが残業を強いられ、定時に家に帰れないのか、今回の記事でその理由がご理解いただけると思います。

そして、日本はこの先どう変わるのか、その時あなたに求められるものは何か?ということについて3回にわたって考えていきましょう。

日本人は残業するのは何故か?①

本当に私たちは働いているのか?

「勤勉」という言葉の定義にも様々あると思いますが、今回の記事では「1時間働いたとしたらより多くの仕事が出来ている」ことを「勤勉である」としましょう。そのように定義すると、日本人は全く勤勉なんかではありません。

例えば、ここにアメリカ人とイタリア人、そして日本人がそれぞれ1人ずついるとしましょう。3人にある仕事を頼んだ時、1時間で一番仕事をこなしているのは誰だと思いますか?

イタリア人はサボってるという印象を聞くし、日本人は真面目だから、「日本人>アメリカ人>イタリア人」と答える人が多いのではないでしょうか?

しかし、これは大きく間違いです。正解は「アメリカ人>イタリア人>日本人」の順番なのです。

これは統計的にデータが出ています。OECDという国際機関が出しているデータによると、日本の「1人当たり労働生産性」は主要国の中で最下位なのです。

アメリカと日本を比較すると、製造業の場合ではアメリカ人が1日の間で「100」の量の製品を作っているとしたら、日本人は「70」しか作れていないそうです。

サービス業に至っては、日本人はアメリカ人の半分ほどのサービスしか提供できていないというデータが出ています。

全力で休む他の先進国の社会人

ではイタリアをはじめとした外国の人が休みがちという印象はどこからきているのでしょうか。これは「ちゃんと休みを取って全力で休んでいる」ということです。

例えば、夏休みに注目してみましょう。あなたがまとまった休みをお盆を含めて頑張って3日しか取っていないと愚痴をこぼしてるとき、遠くイタリアでは社会人が1か月以上まとめて休みを取ってバカンスを楽しんでいます。

そしてイタリアの会社も皆がバカンスに行くというのは承知の上なので、会社の業務も休みです。つまり社会全体が休みを取ることをきちんと認めているのです。

きちんと休みを取れれば、日々の労働意欲もあがります。その結果仕事をしている時間には高い生産性を生み出すことが出来るのです。

ダラダラと仕事して終わらない日本人

一方日本人は「仕事を見せかけている風にして実はサボっている」のです。

有給は取れない、平日も定時には家に帰れない。職場にいるのが日常だから、それならば少ない仕事をダラダラやっていよう、という状態です。その結果が話題となっている長時間労働とそれから生まれるサービス残業、そしては過労死や自殺です。

つまり、「外国人は休んでばかり、日本人は真面目に働いているからすごい!」とアピールするのは、「長い時間かけてダラダラと仕事をしている、私たちは無能な国民ですね」と主張しているのと同じなのです。

そしてこの事実が恥ずべきことであるとすら気づいてもいないのが日本人であるという嘆かわしい状況なのです。

「生産性が低いと言われても、日本のサービスの質が外国より高いのはどう説明するんだ」とおっしゃる方もいるでしょう。しかし、「生産性」と「サービスの質」は全くイコールではないのです。

どうして働く効率が悪いのに、日本のサービスの質だけはいいのでしょうか?【②へ続く】

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