「最近の若者は~~」と口に出す光景、何度も目にしていると思います。しかし、集中力に関して言えば、その一言で簡単に片づけられないのをご存知ですか?
【前回の記事】では何故今、私たちが集中力を高めなければいけないかについて考えました。
今回は、なぜ私たちが集中できない状況になっているのか、そしてそのような環境でも集中力を維持し、効率の良い仕事をしている人に共通しているポイントは何なのか?ということについて考えていきましょう。
集中すること、それはスマホを引き出しにしまうことから始まるのです。
そもそも私たちは何故集中できないのか?
「最近の若者は集中力がない」と年配の人に言われることもあるかもしれません。しかし、私たちの集中力が低下しているのは集中力が下がったからではありません。私たちが集中できないこと、それは現代の仕事環境というのが多く関わっています。
現代の職場というのはあまりにも膨大なデータに囲まれています。膨大なデータを取り扱うということは、一度に多くの量を処理する必要があるということになります。
何百枚という紙に手書きで書かれた売り上げの表も、Excelならファイル1つで見ることができ、私たちはそれをまとめなければならない。最近の若者が~と言っている年配の人が働いていた時代とは、比較できないほどのデータ量を私たちは扱っているのです。
さらにはメールやSNSといったサービスによって、気軽にコミュニケーションが取れるようになったことも原因の一つです。何か取り掛かろうとしても、メールの着信があったら急ぎの用件でないかチェックしなければなりませんよね。
ただ目の前の伝票を整理することだけをしていればいい、また電卓をたたいて売上の計算だけをしていればいい、といった年配の方々が働いていた環境とは全く異なっているのです。
私たちが働いている現代ではマルチタスク(様々な仕事)をこなす必要があり、このことが集中力を低下させている要因となっているのです。
しかし、このような環境でも効率よく短時間で圧倒的な仕事量をこなしている人はいます。次はその人たちが集中力を長続きさせるためのポイントを探っていきたいと思います。
集中力が長続きできている人のポイントは3つ
現在では研究が進み、集中力の正体がだんだんと解明されてきました。研究によると、集中力が長続きできている人は3つのポイントを押さえられていると言われており、その3つが「集中」「リラックス」「姿勢」です。まずはそれぞれ確認していきましょう。
1.集中
ゲームやマンガなど、一度始めてしまうと時間を忘れてしまうという経験はあなたにもあったと思います。あのゲームの画面を見ているとき、またマンガのコマを追っているとき、あれが「集中」している状態ということになります。
その人が集中しているかどうかは、その人の「まばたき」に出ると言われております。集中しているときに人間はまばたきの回数が減るという実験結果が出ているのです。
しかし「集中」とはコントロールしにくいであり、いざ集中しようと思っても難しいものです。そのため、集中力を構成する残り2つの要因にも着目する必要があります。
2.リラックス
「集中」と「リラックス」というと、反対の言葉のように思えるかもしれませんが、実は密接な関係があるのです。人間はリラックスできている状態でないと「集中」することはできないのです。
例えば、ゆったりとしたクラシックが流れているカフェとバンドが大音量で演奏しているライブ会場、読書をしやすい場所はどちらでしょうか?多分ほとんどの人が前者を選択するでしょう。
また、適度にエアコンがかかった涼しい部屋と日光がガンガンに差し込む真夏の35度の屋外、パソコン作業するなら当然前者の方が適しているでしょう。
つまり物事に「集中しているとき」というのは「心や体がリラックスしているとき」とイコールであるということがお分かりいただけたと思います。そして、このリラックスをするときにとても重要なのが3つ目の「姿勢」です。
3.姿勢
姿勢をよくすること、もちろん老後の健康のためなどに重要なことではありますが、集中力を長続きさせるためにも重要なポイントなのです。
例えば、椅子にゆったりと座っている状態と片足立ちの状態、どちらが本の中身が頭に入ってくるかどうかは言うまでもないと思います。
集中力が長続きしない人というのは、姿勢が悪く知らないうちに体に負担がかかっているため、体勢に気が回ってしまい本来やらなければいけないことに意識を向け続けていられないと言えるのです。
いかがだったでしょうか?「集中しなさい!」と小さいときから言われてきたけど、どう集中すればいいのかわからなかったあなたも、集中のための3つのポイントを理解できましたでしょうか?
それでは【続いての記事】では集中するための具体的なテクニックに入る前に、「そもそも何に集中すればよいのか」についてお話ししたいと思います。
実はあなたの仕事、集中したくてもできない仕事なのかもしれません。(③に続く)