借金大国日本が潰れる日③~お金持ちなのに借金とは?~

海外から毎年お金が入り続ける日本

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【前回の記事】では銀行を通じてあなたも含めた日本国民全員が政府にお金を貸しているという状況をお話ししました。

しかし、こんな多額の借金をしても潰れていない、それは日本という国が「お金持ち」であることが挙げられます。

今回から話を広げ、「何故日本はこんなに借金をして潰れていないのか?」というテーマで日本とあなたの将来のお金について考えていきたいと思います。

今回のシリーズでは「日本の借金」に注目して全7回にわたって解説していきます。

・そもそも「国の借金」とはどういうものなのか?
・日本はなぜこんなに借金をして潰れていないのか? (⇐ココ)
・日本は今後も本当に潰れないのか?
・日本であなたがこれから生きるために必要なこととは?

シリーズの第1回目の記事は【こちら】になりますので、まだお読みでない方はこちらからどうぞ。

借金大国日本のナゾとこれから③

 私たちは「国」、その中でサービスを行う「政府」

さて冒頭の「借金しているのに日本がお金持ち」という状況に違和感を感じてしまう方は、「政府」と「国」を切り離して考える必要があります。

ここでいう「国」とは私たち個人や企業のことです。そして、その私たちからお金を貰って、代わりに教育や医療といったサービスをしてくれるのが「政府」です。

そして、私たち個人や企業といった「国」は、世界的に見ると実はめちゃくちゃお金を持っている、言わば「資産家」であるという状況なのです。

お金持ちであるのに借金を持つ、というおかしな状況が続けられている理由は主に3つあると言われています。まず始めにその1つ目の理由である「黒字」の部分についてみてみましょう。

理由①:国自体の収支は黒字

日本は他の国との間で貿易を行っています。例えば、石油や金属の原料を輸入して、自動車などを輸出しています。

またモノだけではなく、サービスなども輸入したり輸出したりを国を超えて行うことでお金が動いています。

このように外国から輸入してお金を渡し、輸出してお金をもらう、その結果のお金のプラスマイナスを「経常収支」と言います。そして、日本の「経常収支」はずっとプラスなのです。

もし日本をサラリーマンに例えて考えてみると、会社からの月収が20万円、一方で毎月の支出が15万円であった場合、5万円が毎月貯まっていきます。これが経常収支が黒字の状態です。

2016年の経常収支は約20兆2000億円ほどの黒字とのことなので、簡単に言えば日本という「国」が2016年は20兆円貯金できた、ということになります。

日本には莫大な貯金がある

戦後から見てみると日本の経常収支はプラスやマイナスを行ったり来たりしていました。つまり、貯金できた年もあれば使う額が大きかった年もあったということです。

しかし、1980年に一気に輸出が伸びたことによって、これ以降の日本では現在に至るまで、常に経常収支がプラス、つまり確実に毎年貯金できている状態を維持してきました。

こうして、日本の国内には海外から毎年多額のお金が入ってきて貯まっている状態となっています。

その結果、政府が国債を発行して、私たちに買って欲しいと頼んだとしても、日本は稼げているだったため、政府の借金を引き受ける力が十分にあったのです。これが資産家かつ大量の借金を抱えている1つ目の理由です。

そしてこのような状況が続いた結果、日本の政府の借金はほとんどが日本人が持っている状況になります。この「日本人が持っている」というのも日本が破産しないためにはとても大切な条件なのです。

その国の借金をその国の国民が持っていることの重要性を次の【日本の破綻④】では、近年経済危機が起こったギリシャと比較しながら考えていきたいと思います。

(④へ続く)

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