投資をやるうえで必要なことの一つに「チャートを正しく読む」スキルが挙げられます。
しかし、これからFXを始めるという初心者の方は、長方形が大量に並んだあの図をいきなり見ても何が読み取れるのか全く理解することができないでしょう。
そのため今回の記事では投資ではそもそも何故チャートを見るのか、チャートとは何かという基礎的な話から具体的な見方やローソク足の考え方について、一から知っていただければと思います。
目次
なぜ投資家はチャートを見るのか
ではそもそも、なぜ投資家たちはチャートを見ているのでしょうか?
FXで利益を得るためには、通貨の価格が安いときに買って高くなったら売る必要があります。
つまり、「できるだけ価格が安い買いのチャンス」と「できるだけ価格が高い売りのチャンス」を相場の中で見つけ出さなくては、利益を大きくすることはできません。
そこで必要となるのがチャートであり、チャートには過去どのように価格が推移してきたかが表示されています。
今までどのようにチャートが動いてきたかを見ることで、今後どのように動いていくかが予測できる、これがチャートを見る意味なのです。
では具体的にチャートとはどういうものなのか、次にこれを見ていきましょう。
チャートって何?
FXおけるチャートとは、為替レートの動きを価格や時間を軸として表したものです。実際のチャートを見てみましょう。
上図は米ドル/円のチャートです。横軸が時間、縦軸が価格を表しています。
そのため、米ドル/円の価格が上がったり下がったりしていることを読み取ることができます。
この表をよく見てみると、表が青や赤の四角いボックスと、上や下に伸びている棒線によって構成されていることに気づくと思います。
それぞれの長方形や線などで独立した図形一つ一つのことをローソク足と言い、価格の動きを表しています。
このローソク足を正しく読めることが大きな利益につながるといっても過言ではありません。
ローソク足とは?8つのキーワード
ローソク足で重要なキーワードは8つあります。いきなり全ての名前などを覚える必要はありませんが、性質を理解しておくことはFXにおいてかなり重要と言えます。
下の画像は先ほどのチャート上に合った青と赤2種類のローソク足を拡大したものです。
ローソク足の8つのキーワード
- 始値
ローソク足が作られ始めた瞬間の値段。 - 終値
ローソク足が終了した瞬間の値段。 - 安値
ローソク足が作られている間で最も安かった瞬間の値段。 - 高値
ローソク足が作られている間で最も高かった瞬間の値段。 - 陽線
終値が始値より高い価格で終わったローソク足。最終的に価格が上がって終わったローソク足のこと。 - 陰線
終値が始値より安い価格で終わったローソク足。最終的に価格が下がって終わったローソク足のこと。 - 実体
ローソク足のうち、四角い部分のこと。 - ひげ
ローソク足のうち、上下に伸びている棒線部分のこと。
ちなみに1~4の値をローソク足における「4本値」と表現することもあります。
まとめるとローソク足は、価格がどこまで上げたのか下げたのか、結果的にどの価格になったのかを示しているものとなります。
そしてチャートはこのようなローソク足の集合体で構成されています。
しかし、時間経過で価格の変化を知りたいのであれば、下図のような折れ線グラフのほうがシンプルで分かりやすいと思いませんか?
それにも関わらず、なぜ投資家たちはわざわざローソク足などという難しいものを使うのでしょうか?
それにはFXを取引する上で重要な「時間」という概念が関わっているのです。どういうことなのでしょうか?
ローソク足は一定時間での動きを教えてくれる
チャートの中でもローソク足が重要な役割を果たしている理由の一つが「時間足」という考え方です。
時間足というのは、指定したある時間内で作られたローソク足のことを指します。
例えばある1時間のローソク足が赤い場合は「△時0分~△時59分の間に価格は上昇していた」ということを教えてくれます。
時間足には1時間足の他にも、期間が短いものでは1分足や5分足、期間が長いものでは日足や週足などもあります。
なぜこういった任意の期間でチャートを見られるようになっているのか、それは自分が知りたい期間で価格がどのように動いているのかが把握しやすくするためです。
例えばローソク足の時間足を1時間足に設定すると、24本並べれば1日分の値動きが把握しやすくなります。(下図参照)
また1分足のローソク足を60本並べれば、1時間分の値動きが分かりやすくなるというわけです。(下図参照)
対して折れ線グラフの場合は、ローソク足のように一定期間ごとに区切られていないため、過去の価格がどのように推移してきたのかが読みづらいという難点があります。
チャートは他に取引に参加している投資家たちの心理を表したものと言っても過言ではありません。
他の投資家がどう考えて取引しているのか、それを読み取るために最適な手段がローソク足なのです。
どうやって使う?チャート攻略の2大ポイント
次は投資家たちがローソク足の集合体であるチャートを見て、どのように値動きを予想しているのかを解説していきます。
投資家にとってチャートは主に2つの点で取引に役立てられています。
1つは今までの価格の動き方を把握しやすくなる点、もう1つはその後の価格がどう動くかを予想しやすくなる点です。
1.現状を把握する
1つ目については並んでいるローソク足1本1本の形を見ることで、現状どのような値動きをしているのかを、だいたい把握することができます。
何を見るのかと言いますと、ローソク足の四角い実体の部分です。例えばあなたが次のローソク足を見ているとしましょう。
ここからローソク足の実体部分が何本も連続して上に長く伸びていることがわかりますので、上への値動きが強いことが読み取れるのです。
そしてこれが1時間のローソク足であれば、この数時間は価格を上がると考えていた投資家が強かったのだ、ということが理解できるのです。
2.未来を予想する
そして投資でやる場合とても重要なのがこちらの要素です。
私たちは上がると思ったら買う、下がると思ったら売るという取引を行う必要があります。
そのためにはこれから先相場(チャート)が上がるか下がるか予想しなければいけません。ここではその予想の一例を見てみましょう。
次の画像の右上を見てください。
さて、この画像を見て、この先が上がるか下がるか予想できるかと聞かれても「そんなの分かるわけがない!」と思われるかもしれません。
しかし投資に慣れていれば、一番最後のローソク足を見て「下がるんじゃないか?」と予想することができるかもしれません。
そう答えた理由として、一番最後のローソク足をよく見てみると、長いヒゲを上につけていることが分かります。
上についたヒゲというのは「その時間の中で一時的に価格が上がったが、結局終了時点では下がってしまった」ということを表します。
つまり、上がっていった時点で、多くの投資家が「これは上がりすぎだ、次は下がる」という考えを持った、という心理が表れていた結果といえるのです。
そして、その先も表した画像が下になります。
これを取引に利用するならば、大きなヒゲを付けたら価格が下がるという予想をすることができるため、「売り」を入れておけば利益を上げられる、ということになります。
もちろん上の例はあくまで予想する際の一例であり、ヒゲをつければ必ずこうなるという話ではありません。
しかし、FXで利益を上げている投資家は、なんとなくで取引しているのではなく、チャートを利用して将来を予想しているということを理解してもらえればと思います。
チャートはあなたの生活に合わせて使える!
ここまでローソク足の解説やチャートの使い方について簡単に説明しました。
その際に、何故折れ線グラフではなくローソク足をチャートに使うのか、という理由としてある一定の時間毎の動きに着目できるということを言いました。
このことは同時に、ローソク足を活用することであなたのライフサイクルの中で、無理なくFXをできるということを示しています。
例えば、あなたが平日にFXのためのまとまった時間を取れるのであれば、5分や1時間足といった短い期間のチャートを見て、数時間後の価格を予想しながら取引することでチャンスを増やせます。
一方、忙しくてまとまった時間を取ることが困難な場合でも、1日毎にローソク足が出来る日足を朝出かける前や夜寝る前などの少しの時間に見て、翌日の値動きを予想するトレードが出来ます。
つまり自分の生活に合わせてチャートを使いこなすことが、FXで資産を運用するための第1歩となるのです。
ちなみにチャートはパソコンでなくても、スマホさえあれば見ることは可能です。詳しく知りたいという方はコチラを読んでみてください。
スマホでFXをやるのはOK?NG?投資初心者に最適なアプリとは
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