株の取引の勉強をしよう。と思った時にみんながつまづくポイントの一つが「板」です。あの数字の羅列を見ても何を表しているのやらと、株式の敷居の高さを感じてしまいますよね。
今回はあなたが欲しい株をできるだけお得な値段で買うために、「板と出来高」について学んでいきましょう。
板=投資家の希望調査の結果
株式の取引は「株を買いたい人の注文」と「株を売りたい人の注文」が一致して初めて成立します。つまり、株を売りたい人がいなければ株を買うことはできませんし、株を買いたい人がいなければ株を売ることもできません。
よって、あなたが株を買いたいときは、市場にいる他の人たちが、「いくらの値段」で「どれくらいの量」を売りたい人がいるのか、を把握しておく必要があります。
一方で持っている株を売りたいときは逆に「いくらの値段」で「どれくらいの量」を買いたい人がいるのか、を確認しておかなければいけません。
でも、市場にはたくさんの投資家の人がいますし、その人たちに一人ずつ回って「いくらで買いたいんですか?」と聞いて回るわけにもいきません。そこで、このどの値段で売りたい・買いたいを一目でわかるようにしてくれる画期的なもの、それが「板」(いた)です。
板は買いたい人の集まりである「買い板」と売りたい人の集まりである「売り板」から成り立っています。またいくらで取引したいという価格を「気配値」(けはいね)といいます。
具体的に板を見てみよう!
売株数 | 気配値 | 買株数 |
1500 | 102 | |
500 | 101 | |
1000 | 100 | |
99 | 100 | |
98 | 500 | |
97 | 2000 |
上が板の例です。パッと見では数字しか書いてありませんが、上の表から様々な情報が得られます。
まず、表の左半分は売り板でこの場合は100円以上、一方で右半分が買い板で99円以下となります。
100円だったら売りたいという株が1000株あるということになります。ちなみにこの1000株というのは1人の人が1000株売りたいと言っているのか、2人の人が500株ずつ売りたいと言っているのか、という人数までは把握できません。
ちなみに、同じ気配値で売りと買いが並ぶことは決してありません。なぜかと言えば、同じ値段で売りたいと買いたいという人がいるのであれば取引が成立するので、板からは消えるからです。
そしてこの板で現在の株の取引価格もわかります。例えば、100株を今すぐ買いたいのであれば、1000株は100円で売ってますので、その中から買うことになります。
よって買う値段は100円です。一方売りたい場合は、99円で100株だけ買いたい人に売ることになりますので、売る値段は99円ということになります。
まとめると、板では「買う時の値段」と「売る時の値段」、「みんなの売り買いの希望量と価格」がわかるということになります。
板では現時点での投資家たちの取引の思惑が見ることができます。一方で実際に取引された量というのが「出来高」になります。
取引の活発度=出来高
「出来高」(できだか)とは、株式などが実際にどのくらい売買されたかの合計、すなわち取引の総量を示したものです。
例えば、AさんがGOA社株を500株を売りたいと思い、その株をBさんが買ったらGOA株の出来高は500になります。その後CさんとDさんでGOA株を1000株を売り買いして、その日のトレードがこの2回だけ、とするとこの日のGOA株の出来高は1500であった、となります。
このように、出来高は取引の量を示したものなので、出来高が高い株は頻繁に取引がなされている注目度や人気度の高い銘柄とも言えます。
また同じ会社の株でも、通常時よりも決算発表や関連するニュースがあると出来高が多くなる傾向があります。例えばその会社の業績アップのニュースが流れるとみんな買いたいと思って取引量が増えます。
逆に不祥事などが取り上げられてしまうと売ってしまいたい、安く買いたいと思うため、この場合も取引量が増えます。取引が活発になるということは、必然的に出来高も高まるということになります。
そのため出来高の仕組みを理解しておくと、実際に取引する際に重要なヒントの一つとして活用することも可能です。数値をどうやって見るかだけは理解できるようになりましょう。
では続いて株などの投資をやるうえで避けては通れない「約定」や「空売り」という概念を【次の記事】で理解していきましょう。難しい単語でも、簡単な例に置き換えてみるとすんなり理解することができると思いますので、一緒に学んでいきましょう。