あなたの会社、ある意味赤字?~会社の「4つの利益」~

会社の利益は4つあること知っていますか?

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営業利益は黒字なのに経常利益は赤字?そもそも何故「利益」が複数あるのか、と疑問の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は財務3表の中でも、会社の利益を表す「損益計算書」について取り上げていきます。会計や経理の知識が全くない人でも理解できるように、易しい例えを用いてゆっくりと解説していきますので、この機にマスターしてしまいましょう。

なぜ社会人は企業の会計を知っておくべきなのか、「ビジネスに使える企業会計」の初回の記事は【こちら】になります。まだお読みでない方はこちらからお読みください。
これだけは知ろう!企業会計の基礎④
損益計算書~その1~

そもそも決算書類は見れるのか?

本題に入る前に、シリーズのここまでで紹介した企業の決算書を見れるのかというお話しをしたいと思います。財務諸表は上場している企業であれば公表の義務があるため、それらの企業の決算書は企業のHPから見ることができます。

もしあなたの会社が上場企業であれば、あなたの会社の決算書を検索してみると良いかもしれません。

少し話がそれましたが、次に損益計算書の見方をこれからご紹介します。

 損失計算書で見るべきは4つの利益

前回の記事でも簡単に紹介しましたが、損益計算書(通称PL)は会社の売り上げとそれに関わった費用、そしてその差額である利益をまとめたものです。

あなたがケーキ屋さんをやっているとすると、ケーキの値段が「売り上げ」になり、そこに原材料やアルバイトといった「費用」を引いていき、手元に残ったものが「利益」ということになります。

【前回の記事】では財務3表のそれぞれをわかりやすく概説していますので、まだお読みでない方はそちらからご覧ください。)

理屈はこんなに簡単なのに、損益計算書はぶっちゃけ読みにくいです。それは損益計算書の中で「利益」というのが大まかに「4種類」も存在するためです。なぜ4種類も利益が存在するのかというと「費用をどこまで差し引くか」によって異なるからです。

先ほどのケーキの例であれば、売り上げから材料費だけを差し引くのか、それとも賃料やアルバイト代も引くのか、さらには税金も差し引いた分を利益とするか、ということになります。

ここでは4種類の利益を順番に紹介していきますが、言葉を完璧に覚える必要はありません。その利益が何を指しているのか、というイメージをしていただければと十分だと思います。

0.売上高

1年間で売り上げた額を「売上高」と言います。先ほどのあなたのケーキ屋さんでいえば、ケーキの値段である500円が売上高になります。すべての計算はここから始まります。

1.売上総利益

ケーキを作るためには生地やクリームなどが必要となります。こういった材料や仕入れ値を「売上原価」といいます。こういった材料代を売上高から引いてあげると「売上総利益」が出ます。つまり、

(売上総利益)=(売上高)ー(売上原価)

となります。例えば500円のケーキを作るのに1個当たり200円必要ですと、売上総利益は300円ということです。「粗利(あらり)」という場合はこれを指します。

2.営業利益

先ほどは原材料の代金を引いてあげましたが、ケーキを売るのにはまだ他にも出費があるはずです。例えば、お店を借りていればそのテナントの賃料やバイトを雇った人件費などがかかるはずです。また、チラシを撒いたら、広告費もかかります。

こういった販売や管理にかかる費用のことをまとめて「販管費」といい、これも売上から引く必要があります。先ほど求めた売上総利益からこれらを引いた利益を「営業利益」と呼びます。すると、

(営業利益)=(売上総利益)ー(販管費)

となります。あなたのケーキ屋さんのバイト代が1個当たり100円ですと、先ほどの300円から引いた200円が営業利益となります。ここまでが「本業の利益」ということになります。

3.経常利益

次に見ていきたいのが「経常利益(けいじょうりえき)」です。経常利益はその会社の本業以外の利益も含めてを出します。

例えば、「会社が持っている土地から得られる収入」や、「銀行から借りているお金に支払う利息といった損失」を含めます。これらは本業に関係ないお金の動きですので、「営業外費用/収益」といい、これを差し引いたものが「経常利益」です。よって、

(経常利益)=(営業利益)-(営業外費用)+(営業外収益)

で求められます。ケーキ屋さんでいえば、あなたがお店を開くときに借りたお金の利子が50円発生している場合、営業利益の200円から引いて、経常利益は150円となります。

4.当期純利益

「一時的に」発生した利益や損失のことを「特別利益/損失」と呼びます。少しイメージしづらいですが「その年だけ発生した利益や損失」と覚えていただければ大丈夫です。例えば、持っていた土地を売って得た利益などが入ります。

この突発的なイベントで動いたお金を差し引きすると、ついにその年の会社の利益が出ます。しかしお金を儲けたらその分の「税金」を納めないといけません。その分を引いたものがこの会社が1年間という期間であげた利益、すなわち「当期純利益」となるのです。

(当期純利益)=(経常利益)-(特別費用)+(特別収益)ー(税金)

経常利益が150円だったあなたのケーキ屋さんの今年の法人税は50円でした。そこでケーキ屋さんの当期純利益は100円ということになります。ちなみに、新聞とかで出てくる「最終黒字」はここの金額を指します。

それぞれの利益がどう求められるのか、ざっくり理解はできましたでしょうか?少々文字が多くなってしまいましたが、どういう費用が引かれるのかという部分をケーキ屋さんの例で考えれば難しくはないと思います。

今回学んだ損益計算書の概要を踏まえたうえで、【次回の記事】ではどういう見方をするとその会社の実像を理解できるのか、ということを学んでいきましょう。(⑤に続く)

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