ビジネスでもプライベートでも、人脈作りの重要性はとても高いと言えます。
人とのつながりを増やしていくことで、会社で活躍していくチャンスが生まれるかもしれませんし、今後のあなたの人生を大きく変える運命の出会いというのもその中にある可能性もあります。
しかし、いくら知り合いを増やそうと人脈作りに精を出しても、あなたという人物像が良い印象で受け入れなければかえって逆効果になってしまいます。
今回はビジネスでもプライベートでも使える「最初で99%が決まる法則」についてお話ししたいと思います。
「最初が肝心」は学問的に証明されている
「第一印象が大事」が大事ということはあなたも聞いたことがあるのではないでしょうか?
「実はいい人」という場合でも、最初の印象が悪いと後になってイメージを変えることは難しいとされています。
まずはそのことを証明した、心理学者であるソロモン・アッシュが行った興味深い実験を最初に取り上げてみましょう。
アッシュの実験
この実験では、実験を受ける人に、「Aさん」と「Bさん」の二人がどういう人物か、という説明します。
この際にAさんは「頭が良く勤勉だが、頑固で嫉妬深い人だ」というように紹介します。
一方でBさんを紹介するときは「嫉妬深くて頑固だが、勤勉で頭がいい人である」という説明がされたのです。
2人の説明を受けた後、被験者にはAさんとBさん、どちらの方が好印象を持ったかということを聞きました。
この実験を行ったところ、驚きの実験結果が出ました。
被験者のほぼ全員が「頭が良く勤勉だが、頑固で嫉妬深い人」と称されたAさんに対して好感を持ったと答えたのです。
どうしてこのような結果になったのでしょうか?
人は初めに受けた印象で評価する
上のAさんとBさんの紹介文をもう一度整理してみましょう。
Bさん:嫉妬深くて頑固だが、勤勉で頭がいい人
つまり、どちらも「頭が良い」「勤勉」「頑固」「嫉妬深い」という同じ要素を説明されているにも関わらず、Aさんは先に良い印象のキーワードから、Bさんは悪い印象のキーワードから紹介されているのです。
つまりこの実験から、人間は先に示された性質でその人やモノを判断する傾向があるということがわかります。
このように最初のイメージが強い意味を持つことを「初頭効果」と言い、この性質をうまく活用している人が、デキるビジネスパーソンなのです。
保険の営業でもレストランでも
例えば保険の営業という、相手との信頼を作り上げることが成果に直結する世界に身をおく人の例を見てみましょう。
その中でもトップを走っているある人は、最初にお客様の家に訪問する際に必ず気をつけていることがあるそうです。
彼は「家に入ってから必ずハンカチを敷いてからその上にカバンを載せる」ことを徹底しているといいます。
たかがハンカチを敷くだけと思われるかもしれませんが、これは初頭効果を巧妙に使ったテクニックと言えるでしょう。
このようなちょっとした気遣いを最初に受けると「この人は細かいところまで気が配れる人なんだな」と言うイメージをお客さんに持ってもらえます。
そうした第一印象が「この人なら自分のことも考えてくれるかも」という信頼となって、保険の契約へと繋がっていくそうです。
またこのようだ初頭効果は保険の営業のようなハイレベルな人にだけあてはまることではありません。それはあなたが良く行く飲食店を想像してもらえればわかるはずです。
例えば、入店してすぐに笑顔が素敵なウェイターが親切に案内してくれるレストランでしたら、例え料理の味が普通でももう一度行ってみよう、という良いイメージを持つと思います。
しかし一方で、お店が空いているにも関わらず、愛想の悪いウェイターが待たせるようなお店だと、料理が美味しくてもあまりいい気持ちにはなりにくいのではないでしょうか?
つまりこの場合も、後から出てくる料理という性質よりも、最初の接客の段階である程度イメージが固まってしまっているということになります。
初頭効果を活用してみよう!
ではあなたの生活をもっと豊かに充実させるためには、どのように初頭効果を活用すれば良いのでしょうか?
今回は3つの具体的なシーンとその活用法をご紹介します。
1.初対面の人と会う時は見た目を3倍気にしよう
知り合いの紹介で初対面の人と会う、もしくはビジネスで取引先の人と会う、こういった時にはいつもの3倍は見た目を気にしたほうがいいでしょう。
あなたが好きで身に着けたいファッション等もあるかもしれませんが、初対面に限っては社会の中で一般的に好感触となりやすい格好を心掛けたほうが、最初からいい印象を与えられます。
自分のオリジナリティはその後に伝えていくのでも十分なのです。
2.PR文や自己紹介は良い点を前に
これは一番最初に紹介した実験と同じですが、やはり自分の中で一番伝えたいことを前にすることが重要です。
例えば転職の際の自己紹介文や面接でのPR、または社内・社外でのプレゼンなど、自分や売り込みたいモノをアピールする場はたくさんあると思います。
その時に最初に良い点を前面に押し出し、その後で補足として併せ持つ欠点も紹介する、この方が聞き手は良い印象を持つ可能性が高くなると言えます。
3.振り返る時は良いことから思い出そう
対人関係とは異なる活用法ですが、こちらも初頭効果を使う思考法です。
例えば、昨日という1日を振り返ってみてください。どんな1日でしたか?楽しかったですか?それともつまらなかったですか?
このように過去を振り返る時などは、 最初にその中で良かったこと、楽しかったことから思い出すと、良い記憶として残りやすくなります。
そのため、自分はネガティブに考えがちだな、という方は是非楽しいことから考えるということを習慣づけてみると良いのです。
良く言われる「人は見た目が9割」というのも、 あながち間違った話ではありません。
この初頭効果の存在を考えながら生活するかどうかで、あなたの今後の人生が大きく変わっていくかもしれません。
ぜひ心掛けてこれからの生活を送ってみてはいかがでしょうか?