株で有り金を失う人の唯一の特徴

ナンピン買いとその底なしの恐ろしさ

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株で利益を上げる方法は1つです。下がったら買い、上がったら売る、これにつきます。そして、高いときに買って安いときに売ってはいけない、ということになります。しかし、投資初心者はこの簡単な原則をすぐに乱して取引しようとしてしまいます。

今回の記事ではまず簡単に「ポジション」と「含み益」について理解し、よく取り上げられる「ナンピン」に関する解説とその怖さについてお話しします。

投資を少しでもかじってみよう、と考えている方でしたら、絶対に知っていたほうがいい内容をまとめましたので、どうぞ最後までご覧ください。

株に関する基礎知識は【こちらの記事】で解説しておりますので、お読みでない方はこちらを先にお読みください。
株の基礎⑥

 ポジション=株を所有(possess)すること

「ポジション」とは、自分がエントリーしてその注文が入っている状態を指します。

例えば、あなたが買いの注文を入れた際は「買いポジション(ロングポジション)を持つ」。売りの場合は「売りポジション(ショートポジション)を持つと表現します。

「エントリー」や「ロング、ショート」についてわからない方はもう一度【こちら】の記事をお読みください。

もちろん、買った株はいずれ売ることとなりますが、決済するということは「持っているポジションを解消する」ということになります。つまり、「ポジションを持つ」とは何かしら自分の買いや売りといったエントリーが入っている状態を指します。

またポジションがすでに入っている状態で新たに追加のエントリーをすることを「買い増し」または「売り増し」といいます。簡単にいうと、一回買った後に新たな別の買いの注文をすることが「買い増し」というわけです。

そして、ここでは買い増しの中でも代表的な「ナンピン買い」について説明しましょう。

ナンピンで1株あたりの価格をコントロール

あなたが上がると思った株を買ったとしましょう。しかし予想に反してその株価は少しずつ下がっていってしまいました。価格が下がったところでさらに別の買い増しを行うことを「ナンピン」といいます。

では下がっているのに、なぜ買い増しを行うのでしょうか?それは、ナンピン買いをすることによって、「一株あたりの買値を下げる」ためです。

例えばあなたがGOA社の株を100株買った時、株価は100円だったとしましょう。すると、1株あたりの価値は当然100円となります。

仮に買った後、90円まで下がってしまったとしましょう。このときナンピン買いで、新たに100株の買い増しを行ったとしましょう。これであなたは100円の時に買った100株と90円の時に買った100株を持っているため、1株当たりの買値は

(100円×100株+90円×100株)÷200株(合計持ち株数)=95円

となります。ナンピンする前は1株当たり100円でしたから、それと比べると1株当たりの買値が5円下がっています。株式の取引は安く買って高く売ることで収益を狙いますので、買値を引き下げるというのが「ナンピン買い」の目的なのです。

それならとりあえず買って、下がったらナンピンすればいつかは利益が出るじゃないか、株って簡単だな、と思われるかもしれませんが、ナンピンにもリスクがあります。下手なナンピンは「含み損」を抱えて、いずれ「塩漬け」となってしまう怖いものなのです。

まだ確定していないから「含んでる」利益/損失

ナンピンの恐ろしさを伝える前に、「含み益」と「含み損」について解説いたします。持っているポジションがあげている利益のことを「含み益」、反対に保有しているポジションの損失を「含み損」という呼び方になります。

「含み」というのはまだ確定していないという意味合いがあるのです。具体例で考えてみましょう。

例えば、あなたが株価100円で買った株が110円まで上がったとき、まだ決済していなければ、そのポジションは「含み益がある」ということになります。逆に、その株価が90円まで下がったときは「含み損がある」ということです。

ナンピンの怖さは「リスク」

ここで先ほどのナンピン買いの例を思い出してみましょう。100株を100円で買ったが、90円まで下がったから、さらに100株買う、これがナンピンでした。

たしかにこのナンピン買いによって、1株あたりの買値は95円へと下がりました。しかし、現時点で出ている「含み損」の100円×(100円-90円)=1000円という状況は何も改善していないことがおわかりでしょうか?

もしナンピン買いした後に株価が100円まで戻れば、90円で買った100株の利益が1000円分になります。

しかし、この後下がり続けて80円まで行ってしまった場合はどうでしょうか?今度は最初の100株の倍の200株を保有していますので、損失が広がる速度も倍になっているのです。

つまり、ナンピン買いは1株あたりの買値を下げるという効果と同時に、「さらに多くの株(ポジション)を持つというリスク」を背負っているのです。株価はどこまで下がるのか、上がるのか、正確に予想することは不可能です。

どこまで下がるのかわからない状況で「まだ上がる!」と信じて買うナンピンはリスクを大きくしているだけであるのです。

そして、どんどん価格が下がっていき、いずれ価格が上がったら売ろう、とどうしようもないポジションを「塩漬け」といいます。

ポジションが塩漬けになる前に

なぜ投資初心者がズブズブと相場の沼に飲み込まれていくのは、「損失」を認められないことになります。投資で「損失」を認めるというのは「損切り」を行うということです。

次の記事では「損切り」についての解説と重要性、そしてなぜ損切りができないか、ということについてお話しします。投資の核心を突いた記事となりますので、投資って不安だなと感じている方は、よくある失敗はどういうものなのか、というのを先に知っておきましょう。

【次の記事はこちら】(⑦に続く)

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