財務諸表や損益計算書という単語をご存知でしょうか?きっと名前は聞いたことあるけど、なんだかよくわからない。数字ばっかりが並んでて難しそう。そういった印象をあなたはお持ちだと思います。
以上の単語は「企業の会計」に関するキーワードですが、あなたでも「企業の会計」について学ばなきゃいけない、そしてこの「会計」というものは実は全然難しくない、という内容が今回の記事のテーマです。
いやいや、会計なんて経理とかで働いている人が知ってれば十分で、なんで自分がわざわざ学ばなきゃいけないんだ。と感じていらっしゃると思います。
しかし、会計の知識というのはあなたのキャリアアップには欠かせないものであり、今後ビジネスマンとして成功したいと考えるならば、「知らない状態であること」の方がリスクなのです。
広い視点を持つために
まずはじめに会計の知識というのは、ビジネスマンのあなたが様々な選択する上で、正しい方を選ぶために役に立つ「情報」を与えてくれる存在なのです。
例えばあなたが携わっている事業の仕入れ先として、A社とB社という2つの会社が候補あるとしましょう。ここであなたに会計の知識がなければ、先方の担当者が出してきたコストやその人との信頼といった狭い視点でしか選べません。
しかし、会計というのはもっと大きい視点を与えてくれるものです。すなわち会社としての状況を見ると、A社は財政的に先行かなくなりそうだが、B社は将来性もあるといった判断を会計の知識を用いて下せれば、失敗を未然に防ぐことができるわけです。
そして、会社のより上の立場に上がっていくにあたって、企業会計の知識というのはどんどん重要になっています。数年後、会計を通して他社を広い視点で見比べられるあなたの同期と、何の知識もないあなた。会社の上層部はどちらを早く出世させたいと思うでしょうか。その答えは火を見るよりも明らかでしょう。
また、このような会計の知識は会社の中での昇進に限らず、転職の時にも役立つものなのです。
ありのままの姿を見せてくれる
あなたがさらなるキャリアアップを目指して転職したいと考えたとしましょう。その際に新しい勤務先を選ぶ際、普通であれば向こうから提示してされている年収や福利厚生といった条件だけで判断するしかありません。
人間は悪いところを隠したがりますから、いい情報のみを基本的に見せたがります。そのため会社が見せてきた情報というのは偏ったものであり、一面的にしか判断できていないと言えます。
しかし、ここに会計の知識を持っていればどうでしょうか?財務諸表は会社のありのままの姿を見せています。そのため、それが解読できて読み取れさえすれば、会社の健全度や成長見込みといった、客観的な情報も含めて総合的に判断できます。
そして、どちらの方法が将来的に成長していく良い転職先を選べる可能性が高いか、考えるまでもなく後者ではないでしょうか?
教科書じゃなくて参考書を読もう
しかし、いざ会計を学ぼうと思い入門書を見てみるもさっぱり訳わからないという状況になります。これは買った本のターゲットが会計のすべてを理解することにあるからです。
例えば、小学生の時に習った「半径×半径×3.14」という公式を覚えているでしょうか?これは円の面積を求める公式でした。円の面積を出すという状況で、あなたは半径を2回かける理由や3.14である理由を知らなくても十分なのです。
そういうのは数学者にでも任せておいて、あなたはただ円の面積を求める問題が出たら、「半径×半径×3.14」を当てはめられれば十分であると言えます。
これは企業の会計を理解する上でも同様であり、さっと使えるテクニックだけを知っていればいいのです。
「そんなポイントだけおさえたものを学んでも、本質を理解できないし自分のためにならない」と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、あなたの立場なら会計は「ざっと理解できれば」十分であり、それ以上の知識は基本的に必要ないのです。
円の面積の例でいうならば、あなたは問題を作る人でも参考書を書く人でもないのです。もちろん財務や経理の部門で働く人はきちんと「簿記」や「仕訳」といったものを理解しておく必要があります。
しかし、あなたに必要なのは出された問題を正しく解くスキル、つまりそういう人たちが作った財務諸表を読んで軽く理解できることが重要なのです。
会計についての知識を持っておく重要性を理解していただけましたでしょうか?それでは会社を判断するための会計の知識とはどのようなものなのか?このことについて【次回の記事】ではお話ししたいと思います。(②へ続く)