【前回の記事】では日本の過剰ともいえる質の高いサービスが私たちの長時間労働で成り立っていることを紹介しました。「勤勉」とはかけ離れている生産性の低い私たちの働き方では本来このようなサービスは不可能であると言えます。
それでは、この歪んだ社会構造はどのように変わるのか、そしてその際にあなたはどう変わらなければいけないのか、シリーズの最終回となります。
歪んだ社会を改善させる2つの方法
前回の記事ではあなたが深夜のコンビニを利用できるのは「誰かの長時間労働」によるものであると紹介しました。しかし、このような過重労働が当たり前になっている原因はどこにあるのでしょうか?
当然ですが、深夜にコンビニを利用してしまったあなたに非があるわけではありません。あなたも、自分が働いている会社に残業をして誰かにその価値を提供していることになりますし、お互い様と言えます。
かといって、深夜に営業しているコンビニ店が悪いわけではありません。1つのコンビニが深夜営業をやめたところで他のコンビニが今まで通り深夜営業していれば、そのコンビニは不便という印象を持たれ、売上が下がり潰れるだけなのです。
業績を下げたくない各企業からすれば、方針を変えるように踏み出すということは無理ということになります。
すると現在のこの歪んだな状況を改善できるのは「国の政策」と「国民の意識の変化」だけです。
1.国の政策で変えていく
政府が政策で残業を正しく規制できれば、会社は法律を守らなければいけませんから、長時間労働をさせるわけにはいきません。これが「国の政策」という側面で改善する方法です。
現在「働き方改革」という名で議論が行われていますが、基本的に規制というのを企業側は嫌います。しかし、その反発をきちんと受け止め、実行力を伴い意味のあるルールを設定しなくてはいけません。
そしてもう一つが、国民全員が働きたくない仕事は働かないという意識になるということ、これが「国民の意識の変化」の側面の方法です。
2.国民の意識で変えていく
もし私たちみんなで、「残業はしない、休みもきちんと取る」と言い出したらどうなるでしょうか?会社は得られる労働力の総量が減るわけですから、仕事の量そのものを減らさざるを得ません。
その結果、コンビニは人手不足で24時間開けていられず、夜の9時で閉店になってしまうかもしれません。しかし、深夜にコンビニが空いていなくても、私たち労働者は夕方の6時に仕事を上がれていますので、もっと早い時間にスーパーで買い物ができます。
さらに、きちんと休みが取れることによって、他の先進国のように生産性が上がります。その結果、たとえ働く時間が短くなっても私たちがこなす仕事の量はあまり変わらないかもしれません。これを狙うのが「生産性の向上」ということです。
次の時代を見越した働き方をするべし
これからの日本は少子高齢化で働き手が不足していくことがほぼ確定しています。今までのような「長時間労働」というごり押しの攻め方では限界があるのです。
また、ITの発展やメインとなる産業の変化で、長時間働けばいいという職業自体が減ってきています。これからの時代は、単純な作業ならば人工知能(AI)に任せることができます。
それならば働く「質」を高める、そしてそのために無駄な労働を減らすということが何よりも重要となってきます。
するとそういった時代になったとき、あなたに求められることは何か?「短い時間で生産性の高い仕事をこなすこと」が求められるのです。
今までのように、朝から夜までダラダラ会社にいれば給料がもらえる時代はいつか終わります。その時に会社に残れるかリストラされるか、それはスキルの有無であったり、仕事の早さであったりで決まるのではないでしょうか?
そのような時代が来ることをあなたは今から知って、備えておかなければならないのです。GOAonlineは「新時代を創生する」あなたをサポートできるようなコンテンツを充実させております。
(日本人は残業するのは何故か?~完~)