FXをやるうえで必ず知っておかなければいけない単語の1つが「スプレッド」です。
スプレッドは取引を始める前の証券口座を選ぶ段階から実際に運用していくまで、常に気にしていかなければならないものでしょう。
今回の記事ではFXの取引で余計なお金を支払ってしまわぬように、スプレッドの説明から気にするべきポイント、スプレッドとの付き合い方まで解説していきたいと思います。
目次
スプレッド=FXの手数料
まずスプレッドとは何か、について理解しておきましょう。
スプレッド(英:spread)はそもそも「広さ」や「幅」などといった意味になっています。
ここでいう広さや幅というのは、FXでの買値と売値の間を指しており、買うときの価格と売るときの価格の差額部分がスプレッドとなります。(下図の赤丸参照)
近年の証券会社は1回当たりいくら、といった取引手数料はほとんどかかりませんが、その分売値と買値の幅であるスプレッドで収益を得ています。
例えるならば、古本屋さんの買い取り価格と販売価格をイメージしてもらえればいいと思います。
あるお店はあるマンガをお客さんから100円で買い取って、300円で売っているとしましょう。
この時差額の200円が買いの価格と売りの価格の間にある手数料であるスプレッドであると考えられるのです。
なおスプレッドは「広い」「狭い」という表現をします。つまり、
スプレッドが「狭い」=スプレッドが小さい=手数料が少ない
となります。
つまりスプレッドが大きいと、いくらあなたが利益を上げても、その多くを証券会社に持っていかれてしまうということになります。
そこで、あなたが自分で生み出した利益を自分のものとするために、できるだけスプレッドが狭い会社を選ぶことが大切なのです。
次にスプレッドをどのように気を付ければ良いかという点をご紹介します。
原則固定制と変動制がある
先ほども述べた通り、スプレッドはあなたの利益に直接関係するものとなっていますので、証券口座を選ぶ段階からスプレッドについては考えていかなければいけません。
証券会社によってスプレッドの種類が異なる場合があるので、そこをおさえておきましょう。
FXのスプレッドの種類としては「原則固定」と「変動制」の2つがあります。
B.原則固定制
これはドル/円のスプレッドが0.3銭といったように、固定されている場合です。
しかし「原則」とあるように、ある場面では拡大する場合があります。
例えば何かの事件が発生したなどで相場の動きが大きくなった時には、証券会社が損失を出さないように拡大することがあります。
今の日本の国内で開設できる口座のほとんどがこの原則固定のシステムを取っています。
A.変動制
変動制の場合は常にスプレッドの幅が変わることになります。
特に日本時間の未明~朝方や日中といった、FXの取引量が少ない時間帯に広がる傾向があります。
日本でこの変動制のスプレッドを取っている証券会社は少ないですが、取引コストが読みにくい点がありますのであまりオススメはできないと言えます。
0.3銭ってどれくらい?スプレッドの計算
FXの取引会社のHPを見ますと、「業界最低水準!スプレット0.3銭!」などのうたい文句を見るかと思いますが、実際あなたが取引するとどれだけのコストがかかるのでしょうか?
次はスプレッドによってどれだけの手数料がかかるか、という具体的な計算の仕方を見てみましょう。
今回は次のような条件で取引するときを考えてみましょう。
取引条件
レバレッジ:25倍
取引通貨:ドル/円
スプレッド:0.3銭
上のような条件の時、ドル/円を1万通貨購入したとします。つまり、円を1万ドルに両替下ということになります。
スプレッドを簡単に説明すると、1ドル買った時にいくらかかるか、という手数料のことを指します。
つまり、1万ドル分買うと、1万×0.3銭=300円という計算になります。0.3銭のスプレッドの場合、1万通貨を買うと300円が手数料ということになります。
ちなみに銀行で出来る一般的な外貨預金の手数料はスプレッドに換算すると2円程度と言われていますが、この計算方法を知ってしまうと、銀行の手数料がどれだけ高いかということが実感できると思います。
スプレッドで注意すべきポイント
さて、スプレッドの性質や具体的な計算方法を理解していただいたら、スプレッドができるだけ狭いところで取引したいと思いますよね。
しかし、証券会社を選ぶ際にもいくつか注意しなければならない点があります。
裏を返せば、たった3つのポイントさえを押さえておくだけで、ずっとお得に取引できる環境を作ることができますので、絶対に知っておきたい知識です。
1.キャンペーン限定のスプレッドではないか?
どの証券会社もお客さんを呼び込むために様々なキャンペーンを実施しております。
その中の一つに期間限定でスプレッドを狭くするというものがあります。
何度もこの記事の中で説明しておりますが、スプレッドは私たちの直接的なコストとなりますので、狭いに越したことはありません。
しかし、期間限定でスプレッドが狭くても、キャンペーン期間が終了してスプレッドが拡大してしまっては無駄な手数料を支払うことになってしまいます。
HPなどで安いスプレッドが提示されているときは、キャンペーン限定のものではないか、通常時のスプレッドはいくらなのか、ということを確認したほうが良いでしょう。
2.自分が取引したい通貨もお得か?
ドルのようなメジャーな通貨のスプレッドが狭い、というアピールをしている証券会社は多々ありますが、だからといって本当にお得に取引ができるかというとそうではありません。
証券会社は通貨ごとにスプレッドを設定しているため、マイナーな通貨ではスプレッドを広めに設定している可能性があるためです。
具体例で見ていきましょう。スプレッドの観点で「DMMFX」と「楽天証券」の3社を比較したとき、ドル/円のスプレッドは以下のようになっています。
ドル/円スプレッド
楽天証券:0.3銭
ここだけ見ると、各社ともあまり変わらないスプレッドを提示しているように見えます。
しかし、これがあまり取引がメジャーではない通貨になると事情が変わってきます。ここでEUのユーロとイギリスのポンドの通貨ペアを見てみると、
ユーロ/ポンドスプレッド
楽天証券:4.0銭
2017年9月時点
先ほどのドル/円で肩を並べていた楽天証券はユーロ/ポンドではDMMFXの4倍の手数料が取られることがわかります。
つまり重要なことは自分がどの通貨で取引しようとしているのか決め、その通貨のスプレッドが安い証券会社を選ぶことなのです。
人によっては、取引する通貨ペアによって取引する証券会社を変えているケースもあります。
とにかく重要なことは、きちんとスプレッドについて口座開設前に調べておくことでしょう。
3.スプレッドの幅が安定している証券会社か?
先ほどスプレッドの種類のところで、日本のほとんどの証券会社が「原則固定制」を採用していると言いました。
つまり、時と場合によってはスプレッドが広がることはどの証券会社でもあり得ます。
ここで重要なポイントは「どのくらいの頻度で広がるのか」と「広がった際にどれくらいの幅なのか」という2点です。
1.どのくらいの頻度で広がるのか
1つ目の頻度に関するポイントですが、経済ニュースの発表の前には多くの証券会社でスプレッドを拡大することになります。
問題なのは、特に大きなイベントもない時間帯に取引量が少ないなどでスプレッドを拡大する証券会社です。
このような証券会社で取引すると、あなたが予想もしていないタイミングで損失を被るケースがあります。
2.どのくらい拡大するのか
次に拡大時の幅です。
通常時にドル/円=0.3銭といった狭いスプレッドで取引していても、いきなりその数十倍というスプレッドになったらその時点で決済されてしまい、損失が確定してしまうケースがあります。
しかし各証券会社のHPを見ても、通常時の安いスプレッドばかりアピールしており、拡大したときのスプレッドなどは記載していません。
しかし今はネットの口コミが多く書かれていますので、実際に利用している人が書いている証券会社の口コミを見て、スプレッドについて気になることが書いてないか、気にする必要があります。
しかし、わざわざ口コミを調べることが面倒というあなたのために、GOAOnline編集部が口座を開設し実際に使ってみて、スプレッドが安くかつ安定している証券会社を次にまとめました。
これから証券口座を選ぶという方は1つ参考にしてみてはいかがでしょうか?
編集部オススメの証券口座~スプレッド編
現在FXを取引できる証券会社はとても多く、どの証券会社にもメリットデメリットがあると言えます。
今回はあなたの利益に直結するスプレッドの観点からお勧めしたい証券会社を、取引する通貨別に2つご紹介したいと思います。
ドル/円でコストを安く=SBIFXトレード
きっとFXの中でメジャーなものと言えばドル/円であり、どの会社もドル/円のスプレッドは狭く設定されています。
そのような中、ドル/円を取引するのであればおススメできるものが「SBIFXトレード」です。
SBIFXトレードは1万通貨までであればスプレッドが0.27銭と他社の10%以上安いスプレッドを提示しています。
またスプレッドの安定性という点でも高い評価を受けているため、少ない資金から始めたいという初心者トレーダーにはおススメできる証券会社です。
SBIFXトレードについてより詳しい評価やメリットデメリットを知りたい方は、こちらの【初心者向け】SBIFXトレードとは?メリットとデメリットを徹底解説!で紹介しております。
いろんな通貨を安く=DMMFX
全通貨を通して狭いスプレッドで取引できる環境を提供してくれている証券会社ですと『DMMFX』がダントツでおすすめです。
通常のFXで取引できるような通貨ペアでしたら、全体的に安くお得に取引できるため、初心者に限らず長年FXに親しんでいる専業のトレーダーも利用している人が多いです。
また指標発表時などの広がりやすい局面でも他社に比べるとスプレッドの広がり幅も狭く、すぐに通常時に戻ることも良い評判へと繋がっています。
国内でNo1の口座数を誇り高い支持を受けているDMMFXについては、【初心者向け】DMMFXとは?メリットとデメリットを徹底解説!で詳しくご紹介しております。
スプレッドについて、基礎的な内容から実際のおすすめ証券会社までわかりやすく解説してまいりました。
是非スプレッドを正しく理解して、お得にFXを楽しみながら利益を目指していきましょう。